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【KP】BL

第16章 【いつの日のキミも】







海人との関係が艶めいてから
夜に食事や呑みに出かけることはあれど、
変に意識しちゃって昼間に一緒に出かけることは
なくなっとったから、今日は人目も気にせんと
昔一緒に遊んどった遊びをして過ごす。


相変わらず、ちょっとだけ残念なゲームセンスやけど
諦めんと一生懸命に向かってきては
涙目になる海人がえぐ可愛い…。


「悔しぃっっ!また負けたー!涙
倖生さんも上手いけど、廉もすっごく上手ですよ!
廉がやったことないゲームなら勝てるかも!って
練習して挑んでも、負けちゃったり…」
おおみそかでの対戦が思い出されて
笑てまいそうになるのを我慢する。


「やっぱ、ゲームセンスも遺伝しちゃうのかなぁ?
羨ましいです!僕、ゲーム好きだけど
完全に片想いだから…苦笑」
それからも、合間合間で俺の話が出てきて…。


この頃はしょっちゅうケンカしとったはずやけど
海人ってこの頃から俺が思っとったより
俺のこと、好いとってくれたんかもなぁ…
そんなことを思っては勝手に嬉しくなる。


日も沈んできた頃、
さっきまで楽しそうにしとった海人が
「ママとか、心配してるかなぁ…」
不安そうにそう、呟いてきて。


さっき無責任に嬉しくなっちゃった自分を
猛省する。


そらそうよな…突然知らん部屋で目覚めて
俺は海人のこと知っとるけど、
海人はこの俺とは会うたことないわけで。


なるだけ日付やらは目に入らんようにしとったけど
10年前とは街並みやら諸々、変わっとるやろうし…


にもかかわらず未だに
戻してやる方法すら思いつかんくて…


「かいくんさ、東京タワー登ったこと…ある?」

「…ないです。」

「したらさ、今から登らん?…ごめんな?俺、、
どうしてやったら戻してやれるかわからんくて…。
登ったからって、なんか解決するわけちゃうけど

高いとこから夜景見てさ、小さい灯りの一つ一つに
生活があって、悩みがあるんやろうなって思ったら
少しは気、紛れるかも知らんし!」

「……倖生さんは何でそこまで僕に優しく
してくれるんですか…僕こそ、ごめんなさい。
倖生さんの大切なお休みだったのに
一日、付き合わせちゃって…」


不安でたまらんくせして俺を気遣ってくる海人に


いつの日の海人にも
結局、惚れてまうんやな…
そんな運命を感じたりして。















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