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【KP】BL

第16章 【いつの日のキミも】






「あっ、あの!…ここ、すごく高そうっていうか、
僕にはもったいないっていうか、、
こんなハイブランド、僕なんか着こなせない
と思うので、別のとこでお願いします!!」
なんて懇願される。


「大丈夫に決まっとるやん!いまの服も似合てるし。
かいくん顔もキレイやし、スタイルもええんやから
もっと自信持ち?」

「や…あ、でもほんと大丈夫です!
僕、安い服でもそれなりに見えるんで!!」


おもろ笑
海人って…そういうとこ、あるよな笑


「んー…あー…けどさ、こんなん自分で言うのも
どうかと思うけど俺、一応…顔差してんのよ苦笑
やから、あんまどこでもここでもは行きづらくて…
俺のためと思って、ここで買い物してくれん?」


ここに行き着くまでもチラチラと送られる視線に
海人も思うところがあったようで
そういうことなら…と渋々受け入れる。





「こっ倖生さん…っ!値段ヤバいです!!
僕が普段買ってるやつの20倍くらいします!!」
暫くすると試着室からひょこっと青ざめた顔を出して
小声で訴えてくる海人。


10年後は海人も自分で買おてんのに
そんな可愛いことを真剣な顔で言うてくんのが
たまらんくて笑


「気にせんでええって!ええやつは長く着れるし!
で、いま着とるん?」

「いっ…一応…」

「見して?」
ひょこっと顔出しとった扉をぐぃーっと開けて
全身を確認する。


「えっ、と…こんな、感じ…です」

「おお!似合てるやん!!気に入った?」

「はい!あっでも…!」

「よっしゃ、気に入ったんなら決まりな!」
倖生さんはためらいもなく店員さんを呼んで、
流されるままに買ってもらったばかりの洋服で
店を後にする。


こんなに高いものをポンッと買ってくれるなんて
本当に大丈夫なんだろうか…
めっちゃ、優しい顔した悪魔ってこと、ない…?
なんて少しだけ、疑いの眼差しを向けちゃったけど


「このあとどうしよ?
かいくんはまだ呑まれんしなぁ…苦笑
ブラっとするかぁ!」
そう誘ってくれる倖生さんのことを
一瞬でも疑ったことが申し訳なくなるくらい


そのあともずっと、
ひたすらに倖生さんは優しかった。












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