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【KP】BL

第12章 【水曜日はキミ曜日〜before&after story〜】






「ねぇ、永瀬くんってさ、髙橋くんと仲いいよね?」
2年に上がってから
こう話しかけられることが増えた。


「…まぁ、ぼちぼちな。」
「えっねぇ…彼女って…いるのかな?
 好みのタイプとか…知ってる?」
「……知らん。
 まぁ、アイツは尋常じゃなくニブちんやから
 ちょっとやそっとじゃ伝わらんと思うけどな!」
「えーー硬派カッコいい!!」 
髙橋海人さん、
絶賛モテ期に突入されたみたいです…。


それから2年になって変わったのは
図書委員やなくなった髙橋くんとは
水曜の昼休みやなくて水曜の放課後、
数学を教えてもらいながら過ごすようになったこと。


髙橋くんって普段ポヤポヤしとるくせ、
意外と…勉強できんのよ。
まぁ、文系科目は俺のができるけど!笑


「ねぇ、ねぇ!永瀬くん、聞いてる?!」
「聞いとる聞いとる!
 ちゅーか、場合分け、だるいわーー」
「気持ちはわかるけど!笑」


今日び、俺の気になる場合分けは
髙橋くんが俺のこと好きやった場合か
そうじゃない場合か、しかないんやけどなぁ…


そんなアホなこと考えとったら書き間違えちゃって。
筆箱を漁ってみても消しゴムが見当たらんかったから
「ごめん、髙橋くん消しゴム借りるなー」って
何の気なしに髙橋くんの筆箱の中の消しゴムを
借りようとしたら…


「あっ!!それはダメッ…!」
「えっ、あ、そーなん?ごめん…」
「こっち使って!こっち…」
髙橋くんから渡された
消しゴムと交換する。


「……大事な消しゴムなん?それ」
何の変哲もない消しゴムを
大切そうに筆箱に戻す髙橋くんに問いかける。


「う、うん…お守り、みたいな感じ…かな」
「ほーん、そうなんや。」
「うん、この消しゴムのおかげで入試、
 落ち着いて解けた気がするし。」


えっ…ちょ、待って…?
それって…


「髙橋くん、それ…誰かに貰ったん?」
「うん、貰ったよ。入試の日に。」
「だ、誰に…?」
「貰ったんだけど、誰かはわかんなくて…
 僕、助けてもらったのに入試でテンパってて、
 ちゃんとお礼言えたかもあやしいし、
 顔見る余裕なかったし、名前も聞きそびれて…。」


なぁーんや。
髙橋くんも覚えてくれとったんやぁ…。


「まぁ、向こうは覚えてないと思うんだけどね笑」
「はぁ??…あほ言うなよ、お前、。」








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