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【KP】BL

第11章 【水曜日はキミ曜日】






校門近くにさしかかったとき「帰り、どっち?」
って永瀬くんに聞かれて、そういえば、
そんなことすら知らなかったよな、と気づく。


「あ、こっち…。」
「ほーん、バス?」
「あっうん、そう。」
「じゃあバス停まで一緒行こ!俺もバス。」


永瀬くんと学校の外を歩くなんて、初めてで。
夕陽に照らされてる永瀬くんの横顔は
いつにもまして…キレイだった。


通りすがりの女子と言わず、男子と言わず
あらゆる人が振り返って僕の隣の永瀬くんを見てる。


その隣を歩けている自分に不思議な優越感を抱くと
同時に、ふと、浮かんだ疑問。


「永瀬くんのこと…羨ましいなって思ってたけど、
 もしかして結構、大変だったりする?」
「…なんで?笑」
「みんな、見るから。永瀬くんのこと…」
「あー…そういうんはぶっちゃけ慣れちゃうよな笑」
「えー?!言ってみたいわ!!かっこよ笑」
「うそうそ笑 冗談笑」
永瀬くんって…ちょっと言いにくい
本音を漏らしたあと「うそ笑」って
笑ってごまかすのがクセみたいなんだけど、
それはこの4ヶ月でわかってきたことの1つ。


「なんか、けど…疑心暗鬼にはなるよな。
 自分のことを純粋に好きなんかな、とか
 がわだけ好きなんやないか、とか。
 まぁ…おかげさまで
 だいぶ見極められるようになったけどな苦笑」
「あー…それでさっきの?」
僕の言葉に頷いた永瀬くんが続ける。


「あのコは一目瞭然やったからさ、
 逆にああいう子は、いいんやけど…。
 こっちがちゃんと、好きになったコが
 そうやったときのダメージ
 まぁまぁでかいからな…苦笑」
「そっか…恵まれてる人には恵まれてる人にしか
 わからないことって多分、あるんだよね…。
 それでもやっぱり、羨ましいなって
 僕なんかは思っちゃうけど!苦笑」
「ふふっ、かわえぇなぁ、髙橋くんは!笑」
そんなことを言いながら僕の顔を覗き込んでくるから
無駄に、ドキドキしちゃって…。


「こんなこと、自分からはなかなか
 言いにくいだろうし、今までは
 抱え込むしかなかったのかもだけど
 もらい事故とはいえ、聞いちゃったわけだからさ!
 話、聞くくらいはできるし!

 モテる人のツラさはわかってあげられないのが
 申し訳ないけど…」
そんなことを言いながら
本当に申し訳無さそうにする髙橋くん。







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