第4章 蒼炎を追懐する :ホークス
事件の後は、学校は休校となった。
ゆらが事の終末を聞いたのは、ニュースとクラスメイトからの情報だった。
オールフォーワンの逮捕と、爆豪が無事救出された事。
そして、オールマイトの引退。
死柄木と荼毘達は逃れたらしい。
その情報に、ゆらはぎゅっと目を細めた。
ため息を吐いて、放り投げたスマホに連絡が入って、ゆらは再びスマホを手に取った。
かかってきた着信に、ゆらは目を細めた。
公安からの呼び出しだ。
孤児だったゆらを拾って育ててきたのは公安だった。
育てたと言うのは文字通り、公安部隊としてだ。
雄英に入って、久しく自由にやらせて貰っていたが、先日の事件に思う所があったのだろう。
ゆらは素直に呼び出しに従った。
きっと警察より厄介な事情聴取があるだろう。
ゆらは重い腰を上げて、公安本部に向かった。
ゆらはパスを受付に見せると、そのまま上層部に向かうエレベーターに案内される。
ここは相変わらずで、機密機関の癖に、ゆらの様な子供がパスを持っていても、何の疑問も持たれない。
ゆらの様に、育てをしている機密部員が他にも居るからだ。
ゆらは指定されたドアの前に立つと、ノックをしようとして、手が一瞬止まった。
これまた久しぶりの気配が、ドアの中にあったからだ。
一息付いて、ゆらはドアをノックすると、中からの返事の後に、部屋に入った。
部屋な中で、ゆらが目にしたのは、上官と、やはりホークスだった。
ホークス。
彼は、ゆらの教育係の様なモノだ。