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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第21章 オリジン※荼毘・死柄木


ホテルの部屋に着くと、2人は無言で部屋に入った。


「ゆら……。」

まだ泣き止んでいないゆらを、焦凍は椅子に座らせる。
机にあるティッシュに手を伸ばして、顔を覆っているゆらの手を取って涙を拭いた。


焦凍が涙を拭いていると、ゆらの目が開いて焦凍を見た。

今日初めてこうしてちゃんと目が合った。


泣き腫らしている目に、焦凍はぎゅっと目を顰めたが、ソッとゆらの顔に触れるとゆらにキスをした。

キスをするとゆっくりとゆらの目が閉じたので、その顔を見て焦凍もまた目を閉じた。



時間を少しおけば、頭は働くと思っていた。

だけどどうしても耐え難い事実に、思考は停止したままで、ゆらにかける言葉も見つからないのに、彼女の顔を見たら、どうしてもキスをしたかった。


「…ゆら…。」

唇を離して名前を呼ぶと、薄っすらゆらの目が開いた。



「……俺に話したいの?」

焦凍にそう聞かれると、ゆらの顔が歪んだ。


分かってる。
焦凍には残酷な話だ。

自分の気持ちを焦凍に離して、同じ負担を共有して欲しいと言っている。


浅ましい自分の考えに、また涙が出た。
その涙もまた、焦凍は優しい手つきで拭ってくれる。


「……俺にゆらの負担を背負っていいって言ってくれるなら……。
背負うよ、一緒に。
ゆらの負担も感情も、全部俺にくれ。」


ゆらの全てになりたかった。
彼女の個性も、どうしようも無い性も全部含めて、もう愛していた。


ゆらが一緒に背負って欲しいと言うなら、その相手になりたいと思った。


頼りない細い糸の繋がりでも、ゆらが紡いでくれるなら、離しはしないと違ったんだ。








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