第20章 蒼炎乱舞※死柄木②
あの衝動を抑える為に、ゆらがホークスを選んだ。
その事実だけで、この目の前の男が気に入らない理由になりそうだ。
「……1つ教えてやろうか。」
触れない程度に荼毘がホークスの前に立った。
「あいつの衝動を抑えるのは、俺以外には居ないぞ。」
荼毘の挑発的な言葉に、今度はホークスの目が歪んだ。
ポーカーフェイスしか見せない男の歪みに、荼毘はやっと満足そうに笑った。
荼毘とゆらを会わせてはいけない。
それはずっと分かっていた答えなのに、この瞬間にハッキリとした決意に変わる。
「…連合に連れ込むにはムラがあり過ぎるぞ。」
そんな事はホークスに言われなくても分かっている。
現にゆらは、死柄木も荼毘も振り払って、『そっち側』を選んだのだから。
それでも荼毘は確信している。
『そっち側』に自分以上にゆらの衝動を掻き立てる人物は居ない。