第19章 蒼炎と一騎当千※轟焦凍・ホークス
また会うと分かっていての別れなのに、死柄木とも荼毘にすら感じた事の無い切ない気持ち。
ゆらはその気持ちを胸に置き、雄英の寮を出て行った。
「準備はいいか?」
「うん。」
ホークスに言われて、ゆらはグッと背筋を伸ばした。
プロヒーロー免許会場。
学生用では無く、社会人専用だ。
大人のヒーロースーツの中に、1人小さな女の子がヒーロースーツを来て混じっている。
側にはNo.2のホークスが引率している。
ゆら1人だけでも目立つのに、ホークスのおかげで注目の的だ。
引率は要らないと断ったのに、過保護な所は相変わらずだ。
「何だあれ?」
「学生会場と間違えてるんじゃないか?」
ザワザワと鬱陶しい雑音も、今日は気にならない位に気分がいい。
体調は悪くなさそうだ。
まぁ、この程度の相手達に本気が出せる訳じゃ無いけど、それなりには動きそうだ。
「『ゆら』」
再びホークスに言われて振り返る。
「本当にヒーロー名本名でいいのか?」
ホークスは何やら顔を歪めているが、ゆらはニッコリ笑った。
「うん。『ショート』と一緒だから。」
名前をヒーロー名に付けたお揃い。
恥ずかしいから、理由は焦凍には言えないが。
バレても焦凍なら嬉しそうに笑ってくれるだろう。
「取り敢えずは、今日のYahoo!ニュースのトップは貰ってくる。」
見出しは最年少プロヒーロー誕生だろうか。
そう言ってホークスに親指を立てると、ゆらは意気揚々とテスト会場の中に入って行った。