第19章 蒼炎と一騎当千※轟焦凍・ホークス
焦凍の匂いを思い切り嗅ぎながら、ゆらは言った。
それが自分達は大丈夫だと、ゆらから言われたメッセージの様だった。
「… ゆら…。」
焦凍は体を離して、ゆらにキスをした。
自分もゆらが好きだ。
何度も何度もそう伝える様に。
「…ゆら、今日はしたい…いいか?」
「うん…私もしたい…。」
いつもゆらの気持ちを聞いてきてくれる焦凍が好きだ。
『焦凍くんに感謝しろ。』
ホークスに言われた言葉を思い出す。
言われなくたっていつもしている。
今じゃきっと、自分の方が焦凍を手放せない。
焦凍にキスをされながら、布団に組み敷かれる。
寮ではあまりこういう事をやらないと決めていたのに、今日はどうしても抑えられそうも無い。
「はぁ…焦凍…。」
吐息と一緒に焦凍の名前を呼んだ。
焦凍はゆらに名前を呼ばれると、とても嬉しそうにいつも笑う。
その笑顔が見たくて、いつも焦凍が笑える様に振る舞っている。
無理矢理自分が決めた付き合いだと思っていた。
だからゆらが何を考えているか分からなくて、いつも不安だった。
でも今は、ゆらが何を考えて、焦凍の側に居てくれるのは充分分かる。
ゆらもちゃんと俺の事が好きだ。
そう確信が持てる様になって、ゆらへの気持ちは更に大きくなった様だ。
自分の好きな人が、自分を好きになってくれる。
そんな奇跡の様な時間が、涙が出そうになる位に嬉しい。
ゆらの服を脱がすのはあっという間だ。
焦凍の部屋に来る時にはブラすら付けていない。