第17章 蒼炎の教育※治崎
顔を歪ませて涙を流している。
そんなゆらを見ながら、死柄木は顔を近づけた。
死柄木の唇がゆらに触れると、ゆらは死柄木を抱き締めてキスを返した。
荼毘が今日の事を知ったら、治崎の事より死柄木との事を怒りそうだ。
そんな気持ちが頭を過った。
「……荼毘に会いたい…。」
「……呼べば?」
死柄木の答えにゆらは首を振る。
会いたいけど、会いたく無い。
荼毘には何でも言える様な関係だと思った。
だけど今日、初めて荼毘には言いたく無い事が出来てしまった。
そんな荼毘との関係は悲しくて、ゆらはその分死柄木にキスを繰り返した。
治崎と体を重ねるより、死柄木とこうして抱き合ってキスをしていた方が遥かに気持ちいい。
相変わらず、死柄木はゆらの体には興味が無いようで、ただ抱きしめてくるだけだ。
そしてそれが1番心地いい。
ただ情欲をぶつける荼毘と。
こうして触れるだけの死柄木。
そして情欲も心も余す事なく見せてくる焦凍。
自分は何処へ行こうとしているのか。
死柄木のキスを受けながら、さらに分からなくなってきた。