第11章 蒼炎と鎖※荼毘
ゆらは轟の頬を触って、ニッコリ笑って言った。
そのゆらの表情に、轟は驚いた様に目を見開いた。
「……轟…コレから何があっても、私を信用してくれる?」
信用なんてゆらからしたら1番得られないモノだ。
ホークスでさえ、自身のゆらへの信用に揺らいでいるだろう。
「……ゆら、勿論。」
轟は迷わずにゆらに言った。
彼のその笑顔に、ゆらは目を細める。
中休みが終わるチャイムが鳴る。
「ゆら、今日部屋に…。」
轟が早口にゆらに言った。
ゆらが笑顔で頷くと、轟は安心した様に目を瞑る。
2人は離れて、それぞれの教室に向かった。
轟の笑顔が消えて、ゆらは自分の任務に頭を切り替える。
八斎會への侵入は無理そうだ。
なら薬はどうやって手に入れようか。
(…死柄木は何故八斎會と手を組むのだろうか。)
目的が同じなら。
死柄木が手にした時に奪えばいい。
(……死柄木か…。)
荼毘の様にはいかなそうだし、楽しめそうも無い。
それでもやるしか無い。
荼毘の隣にいる為には、みんなまとめて騙すしかないのだから。