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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第9章 蒼炎を悔悟する※轟焦凍


「……轟…、私の個性は本当に異端なの…。」

ゆらは顔を手で覆って言った。

たとえ、轟を好きになっても、荼毘の様に衝動を突き動かす人に出会った時に、ゆらは自分の衝動を抑える自信が無い。

誰かを好きという気持ちよりも、個性の衝動の方が遥かに強い。

理性とか、道徳とか。

普通の人が持っている観念なんて、簡単に突き破る。

誰か1人の人を愛するなんて、一生出来ないだろう。

「……ソレがゆらだから。」

轟は顔を隠しているゆらの手を掴む。

「全部俺が受け入れるから。」

真っ直ぐに自分を見てくる轟に、ゆらは目を顰めた。

そう言っても、いつか嫌になって離れるだろう。

沢山傷付ける未来しか無いのに、どうしてこの手は離してくれないのだろう。

「…馬鹿な轟…。」

「…うん。」

その時に、傷付くのは。

轟なのだろうか、自分なのだろうか。

彼の蒼い目を見て、そんな未来が来なければいいと願うのに。

同じ目の荼毘を思い浮かべるのだ。



ーー

ーーー

ーーーー

次の日に、学校前で轟を見かけた。

昨夜は中々帰ろうとしなかった轟のせいで、2人とも寝不足だ。

轟はゆらを見付けると、すぐに寄ってきた。

嫌な予感がする。

ガバッとゆらを勢いよく抱き締める。

勿論、同級生の前で。

「おはよう、ゆら。」

そう言って、ゆらの頬に何度もキスをする。

周りから悲鳴の様な歓声が聞こえる。

轟が壊れた。

当たり前だが、しばらくはその話題で持ちきりだ。

そうして、周りから埋められていき、仮免を落ちた轟が元気になった事だけが、唯一の救いになった。







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