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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第9章 蒼炎を悔悟する※轟焦凍


ヒーロー仮免に合格して、粛々と日々を過ごしていく。

本当にただ、粛々と。

あんな衝動が自分を襲ったなんて、忘れてしまいそうに。



ーー

ーーー

『アレはもう、俺じゃ制御出来ない。』

ゆらの同行を任せた同僚から、ホークスに連絡が入った。

話によると、別にゆらは何か問題を起こした訳ではない。

ただ、淡々と業務をこなして、自身のモチベーションを仮免まで持っていき、仮免には合格した様だ。

驚異的な成長をしたのが、荼毘と出会った衝動が源だったとしても。

ホークスは電話を切ると、ため息を吐いた。

次のイベントは、インターンだ。

ゆらを自分の事務所に呼ぼうか。

来ない気もするし、来るかもしれない。

もう、ホークスを追っていたゆらは居ない。

いや、辞めておこう、自分との接点はなるべく避けた方がいい。

2人が知り合いだと、世間にバレない方が、後々仕事がし易い。

本当に手のかかる後輩だ…。



ーー

ーーー

ーーーー

「秤。」

噂で、轟と爆豪が仮免に落ちたと聞いた。

呼びかけてきた轟は、心なしか、少ししょんぼりしている様に思う。

「……ご愁傷様です…。」

言葉を間違えた様だ。

余計、轟が落ち込んだ。

轟は目を逸らしながら、何か言いづらそうだ。

「……大丈夫?」

「……追加試験があるから…。」

なら、轟なら大丈夫だろう。

少し。

ほんの少し、スタートが遅れただけだ。

ソレが轟の様な人には、とてももどかしいだろうが。

「……縛ってあげようか?」

ゆらは轟を横目で見ながら、聞いた。

『ソレで喜ぶの秤だけだから。』

いつもの様にそう言って、引いた顔をして欲しい。
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