第19章 東京への試練
お風呂から上がり縁側で涼む。
昼間の賑やかさが嘘みたいに静かな時間が流れた。
~♪
スマホが鳴る。画面を見ると研磨くんからメッセージが。
”インハイ予選1回戦勝ったよ”
嬉しくなってすぐに返信
「”おめでとう!来週も頑張ってね。応援してるよ!”と・・・」
私たちも負けてられない
全力を出してテストに挑み、ついに結果発表がやってきた。
今のところギリギリだが赤点は一つも無いという報告を受けている。
あとはこの最後の教科を乗り越えたら日向くんたちの東京行きが確定する!
「日向、お前東京に行くんだってな?先生は応援してるぞ」
「先生・・・ありがとうございます!」
日向の手元に戻ってきたテストは・・・赤点だった。
答えは合っているのに解答欄が1つずつズレている。
影山の手元に戻ってきた最後のテストも赤点だった。
「東京遠征は今回だけじゃないし、また次行けばいいよ」
菅原からそう言われるが簡単に諦められるはずがない。田中が言う。
「お前ら赤点は1つだけだよな?うまく乗り越えたら補習は午前中に終わる。そしたら俺が救世主を呼んでやろう」
東京合宿の希望が見えてきた。
「やるしかない!」二人は再び勉強を再開する。
「僕は手伝わないよ?テスト期間までって約束だったし」
月島早々に離脱。頼みの綱は山口と一ノ瀬だ。
部活前、部活終わり、休み時間の勉強がまた始まる。
帰りに坂ノ下商店で勉強すれば、なんだかんだ月島も付き合った。
集中力が切れたときの引き締め役、教えるというよりはからかっているほうだったが。
2年生の縁下も「お前たちがいないと始まらないからな」と時間を作っては勉強を教えてくれた。
補習前日の夜、東京遠征組は先に出発する。
「日向くん!影山くん!先に東京で待ってるからね!」
「「おう!!」」
「ここまでやって来れなかったらそれも面白いけどね」
「月島ー!!」「あ゛ぁ゛!?」
縁起でもないこと言うな!と日向くんたちが怒れば「夜なんだから静かにしろ!」と澤村先輩に怒られる。
「二人とも頑張ってよ」
山口くんもエールを送った。
バスが走り出してしばらく経った頃
”明日絶対に影山と東京に行くから!”
と日向くんから1通のメールが届く。
あんなに頑張ったんだもん、きっと大丈夫!神様どうかよろしくお願いします!
何度も神様にお願いする様子を清水が優しく見守っていた