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約束の景色

第19章 東京への試練


「みんな承諾書ありがとう。スケジュールも決まってきたからちょっとずつ発表していくね」
武田先生の言葉を聞いてみんながワクワクした顔をする。
「その前に皆さん!もうすぐ中間テストです。
赤点あると合宿には参加できないって・・・知ってるよね?」
日向・影山・西谷・田中が武田先生からサッと目をそらす。
「知ってるよね?」
田中と西谷が体育館から逃げ出そうとするが
「縁下!そいつら逃がすな!」
澤村から声をかけられた縁下に捕まる。
日向と影山は真っ白な灰になっていた。
「でも大丈夫だろう?赤点取らなきゃいいだけだし」
菅原がそっと励ます
「俺、小テストで2桁以上の点数とったことほとんどないです。それでも大丈夫ですか?」
「えっ」
体育館が絶望に包まれた。


「「一ノ瀬頼む!勉強教えてくれ!」」
私から二人に教えられるものがあるってことが嬉しい。
「私でよければ!」
いつもバレーでお世話になってるから少しでも恩返ししたい!

そう決意してから10分後・・・
部室で3人で正座する。目の前には二人の小テストが置かれていた。
内容を見て震える・・・これは危険だ。中間テストまで時間がない。
ヒーローを呼びたいが今回は西谷先輩も助けを求める側。
泣きそうな表情で顔を上げると、山口くんと嫌そうな顔をした月島くんが立っていた。
「俺たちも手伝うよ」
「テストまでだからね」
全員で東京合宿へ行く為に私たちでやるしかない!

この日から日向・影山を教える1年軍団と、西谷・田中を教える2年軍団の戦いが始まった。
月島が部活前に、山口・一ノ瀬が部活後に勉強を教える。
「今からちょっとずつやっていけば大丈夫だよ!」

『東京合宿に行く!』
それだけをモチベーションに必死に頑張るが、驚くほど結果に結びつかない二人。
「ねぇ?真面目にやってる?これ昨日もやったけど」
「なんでこんな答えになるの?ちゃんと問題文読んでよ!」
「キミたちの頭にはバレー以外の知識入るスペースないの!!?」
月島の厳しい指導が入る。その後は山口と一ノ瀬の優しい教え。
まさにアメと鞭の勉強法。

日向・影山・西谷・田中の4人は澤村と菅原との約束
”まずは授業中寝ない事!”
を守り、分からない箇所は授業終わりに先生に聞きに行った。
一ノ瀬も休み時間に二人が聞きにくれば何度も丁寧に教えた。
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