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約束の景色

第8章 運動部 壮行式


お昼休みになると同時にお弁当を急いで流し込んでいく
「じゃ行ってくるね!」
「走ると危ないから気を付けなよ~」
まだ食べてる友達に心配されながら図書室へ。
合宿後から少しでもバレーの事を覚えたくて勉強を始めた。まずは基本的なルールから。
部活前は日向くんと影山くんに、帰り道は月島くんと山口くんに用語やポジションの事など色々と教えてもらった。

図書室に行くと菅原先輩が勉強していた。
「珍しいとこで会ったな。一ノ瀬も勉強?」
「少しでも色々出来るようになりたくてバレーの勉強を」
「(日向たちも色々教えてあげてるみたいだし、この子のいるおかげで個性派ぞろいの1年にまとまりが生まれている気がするよな~)
頑張ってるな。分からないことがあったら俺にも聞けよ」
菅原先輩とはそれからよく図書室で会うようになった。
自分の勉強だってあるのに、バレーの事も勉強も、分からないことは丁寧に教えてくれた。


部活の休憩中「一ノ瀬ちゃんは中学生の時何部だったの?」と山口くんに聞かれた。
「私は写真部。学校行事とかの記録係?みたいなことしてたよ。あとは友達に頼まれて試合の写真撮ったりしてたかなぁ~」
「へー!カッコいいね!」
「ちゃんと撮れてたの?ピンボケとか多そうだけど」
「おぉ!なんか想像出来ないな。一ノ瀬がカメラマンか」
近くで聞いていた澤村先輩がグイっと身を乗り出す
「カメラマン!?そんなに凄い写真じゃないですよ。本当に記録用みたいなものです・・」
廊下の隅に小っちゃく貼られてたくらいですし、と慌てて否定する
「みなちゃんの撮った写真見てみたいな。あ!そうだ・・・」

清水先輩の一言から始まる
もうすぐ行われる運動部の壮行式で部活風景の写真を見せながら話そうということ。その写真を私が撮ることになった。
撮影初日、2日目とみんな意識し過ぎて明らかなカメラ目線、表情固い等ぎこちない写真ばかりになる
「どう?撮れてる?」
「清水先輩・・・なかなか難しいです」
「完璧じゃなくていいよ。部活の様子が分かれば大丈夫だから」
そう言って優しく笑う先輩をパシャリ
「やだ!いま私のこと撮ったの?」
「すごく素敵な笑顔だったので。私、清水先輩の笑顔大好きです!」
「もう!!ねぇ・・・私にも撮れるかな?」
簡単です、ここから覗いてこのボタン押すだけですよとカメラを渡す。
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