
第77章 春高2回戦 vs稲荷崎高校③【目印】

また宮侑さんにサーブの番が回ってきた。
「(確か歩数でサーブを打ち分けてる)」
1,2,3・・・4歩!今回はジャンプフローターだ!
先輩たちが守備位置を少し後ろに下げた。
放ったサーブは西谷先輩に飛んでいき、取れずにそのまま落ちる。
「すごいサーブ」
続いて放たれたサーブもジャンプフローター。
今度はボールを上げた!田中先輩がスパイクを打つが拾われる
「えっ?」
宮侑さんが上げたトスを治さんが打ち抜いたんだけど・・・
「これって日向くんたちの変人速攻?」
日向くんと影山くんが沢山練習を重ねて出来るようになった技
多分、稲荷崎の人たちがあの速攻を見たのは春高が初めてのはずだ。
「(双子だから出来る技?昨日のミーティングでは烏養コーチは何も言ってなかったよね??)」
相手の手元にドンピシャでボールを上げる技術と初めてをこの場所で出来る度胸
「(宮侑さんもすごいセッターなんだ)」
全国の猛者が集まる場所だけある。何が起こるか分からない
今度は影山くんが速攻を使う。日向くんが飛び込んできた!!
それに対して稲荷崎は・・ブロック3枚!?
「(止められた・・・大丈夫かな。焦ってるかな)」
日向くんの顔を見る。
「(うん、余計な心配だったな)」
すぐに心配は消えた。だって・・
「(すごい集中力。勝つためにどうしたらいいかで頭フル回転)」
もう一度日向くんにボールが上がる。ブロックは2枚だ。
「いけーー!」
アウトに見えたけどブロックに当たってた!烏野の得点だ。
稲荷崎のサーブがネットインで前の方に落ちた。
「大地先輩!ナイスレシーブ!」
前に飛び込んでなんとか拾ったけど、そのまま稲荷崎側に飛んでいく。
また宮侑さんと治さんの速攻がくる!
「あっ」
月島くんが見事に止めた!
「月島くんナイスブロック!!!」
烏野コート側から歓声が上がった。
ここで稲荷崎がタイムアウトを取る
稲荷崎の選手はどの人も強烈なサーブを打ってくる。
「ナイスレシーブ!」
落下点に影山くんが入った。
ボールは・・・月島くんに上がる!
「(わぁ!高いっ!)」
相手のブロックの更に上から月島くんが攻撃を決めた。
「二人ともナイス!」
せっかくの得点なのにハイタッチしたりして喜ばないのは二人らしい。むしろにらみ合ってる?
大舞台でも変わらずで、逆にいいリズムなのかなって苦笑いした。
