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約束の景色

第76章 春高2回戦  vs稲荷崎高校②【援護射撃】


稲荷崎高校7番、宮侑さんのサーブから試合がスタートする
ゆっくりと歩数を数えるみたいにサーブ位置につくと片手をあげた。
「(なんだか指揮者みたい・・・えっ!?)」
吹奏楽の音が急に鳴りやんで静寂が訪れた。一気に緊張感が走る
放たれたのは強烈なジャンプサーブ!
ボールは大地先輩と西谷先輩の間に落ちた。
得点が決まるとさっきまでの静寂が嘘みたいに、大声援が鳴り響く

続いて放たれた2本目のサーブ
「アウトォ!」
1本目と同じ場所に飛んで行ったサーブが今度は外れる。
烏野は旭先輩がサーブ位置に立った
「旭先輩!1本・・・」
声を出した瞬間
”ブゥーーーー”
ブーイングが鳴り響く
旭先輩のサーブがネットに当たり落ちた
『ラァーッキー!!』
「(こういうのもあるの!?集中して打たせてもらえない)」
背中を冷汗が流れていく。

「ナイスレシーブ!」
綺麗に上がったボールの落下点に影山くんが移動した。
そこに日向くんが飛び込んでくる

ドンッ!

踏み切る時の床を蹴る音が今までと違って聞こえた気がした
「た・・高い!」
叶歌さんの驚いた声が聞こえる
「あっ・・れ?」
「「打たないで着地した」」
今までより高くは跳んだけど・・・そのまま着地した

稲荷崎の強烈な攻撃!でも日向くんが足に当ててボールを拾った
「10番の子緊張してるのかな?さっきからちょっとプレーが危ないね」
「うまくいかなかったけど、日向くん仲間の動きとボールの行く方向しっかり見えてます!まだレシーブの形にはなってないけど・・・
もうすぐしたら完璧に拾います!」
昨日もそうだった。
そうだ!ちゃんと見えてる!
だから・・・もうすぐきっと拾えるようになる!
「うん!確かに・・・見えてるね!」
叶歌さんが力強く言ってくれた。
「なんか・・あんたたち二人似てるね」

影山くんにサーブが回ってきた。
さっきまでのブーイングから一転、今度は手拍子が鳴り響く
「あれ?変わった?」
その音は徐々に早くなっていく。こちらが自分のリズムを作ろうとするのを許さないように
影山くんがサーブトスを少し乱した
「選手に合わせてやること変えて来てるね・・・さすが春高常連校。
対策がバッチリしてるよ」
米沢さんが嫌そうな顔で稲荷崎の観客席を見た
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