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約束の景色

第76章 春高2回戦  vs稲荷崎高校②【援護射撃】


今回の自分の定位置、コートの後ろのほうへ移動した
反対側の観客席からは大声援が鳴り響いている
「(ダメダメ!試合前から圧倒されてどうする?)」
思い切り息を吸い込んだ
「烏野ファイトー!!」

「もっと近く行かなくていいの?」
「大丈夫!ここからで!」
声が聞こえたほうに振り向けば、なんだか見覚えのあるユニフォームを着た女子バレー選手の姿
「あっ!」
同じ宮城県代表の新山女子だ!
思わず声を出してしまったので、向こうもこちらを見つめた
「・・・烏野高校のマネージャーさん?」
背の高い女性が柔らかな口調で話しかけてきてくれた
「は、はいっ!!」
「へぇー!一年生?元気いいね」
続いて横にいた女性が話しかける。
「ねねっ、叶歌!学校の様子聞いてみたら?情報収集!」
”叶歌”と呼ばれた女の人がとまどう。ためらいがちに口を開いた
「あ、あの、龍ちゃんって・・・部活ではどうですか?」
「龍ちゃん・・・?」
誰のことを言ってるのだろう???

誰も思い浮かばず、ポカンとしていると叶歌さんがあっ!と声を出した
「えっと、田中龍之介くん」
「田中先輩!!」
田中先輩のことを下の名前で、しかも”ちゃん”付で呼ぶ女性
まさか・・・田中先輩のファン!?
女王の中に田中先輩のファンがいるなんて大ニュースだ!
ここはしっかりと先輩の情報を伝えないと!
「みんなの頼れるお兄さんです。ここぞ!というとき、力強くチームを引っ張っていってくれます!!
私たち後輩も、先輩のプレーと言葉にたくさん助けてもらいました!」
昨日の夜もすごい速度で外を走り抜けてた
きっと日向くんたちと同じで走り込みしてたんだと思う。

「へぇーっ!龍ちゃんカッコいいじゃん」
「そっかぁ・・変わってないなぁ。さすがだ」
嬉しそうにニコニコ笑う。
「ありがとう!マネージャーさんはえっと・・・」
「烏野高校一年マネージャーの一ノ瀬みなです!」
「私は天内叶歌です」
「私は米沢まい子!」
「一ノ瀬さん教えてくれてありがとう。同じ宮城代表として頑張ろうね!」
「あっ・・あのっ!田中先輩に直接言ったほうが、先輩ものすごく喜ぶと思います!」
「あっ!?えっと・・・いいの!」
すごい勢いで首を横に振った。
「私も上手くなったところ見てもらいたいから。負けない」
だからこの事は内緒にしてね?と言われてうなずいた
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