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約束の景色

第72章 春高一回戦  vs椿原学園①


Cコート 
椿原学園(神奈川)vs烏野高校(宮城)

みんながアップを始めた
シューズが来る間、日向くんは裸足でボール拾いだ。
私もボール拾いに加わる
「(仙台市体育館だって大きいって感じたけど、東京体育館はもっと大きいな)」
コートがなんだかいつもより大きく見えるし。それに・・・
「(まぶしい)」
上を見上げればライトに照らされて一瞬ボールが分からなくなった。
「オイッ!!危ない」
影山くんの声でハッ!っとして視線を戻せば、こっちに向かって飛んできたボールを止めてくれてた。
「まだ緊張してんのか?大丈夫かよ」
「ごめん。ライトすごいなって・・・それにコートも大きく感じる」
影山くんも静かに天井を見上げた。
「ついに俺たちもここに来たんだな」
「うん・・ついに来たね。もうすぐ1試合目始まるけど、緊張してる?」
「ん?・・・今はしてない」
不思議そうに答えた影山くんの顔を驚いて見た。
こんなに大きな会場でも緊張しないの!?

「ここは通過点だから」
「(・・・影山くんが見据えるのはもっともっと先の未来だ)」
緊張で固まってたらあっという間に時間が過ぎちゃうかもしれない
せっかくの場なのにそんなのダメだ。
「影山くんの冷静さ、少し分けてもらいます」
両手を合わせて拝む
「??? それで吸い取ってんのか?一ノ瀬ってホント変わったやつだよな?」
真面目な顔でじーっと見られた
「ここでプレーできるんだ。今は楽しみの方がデカイ。
日向のオープンが早く使い物になればいいんだけど・・・それはまだ先だろうな」
12月の代表合宿で日向くんよりも高く跳ぶ人がいたらしい。
帰ってきてからずっと練習してるけど、まだ成功には至ってない。
「今はまだだけど、二人ならきっと成功させるよ!練習いつでも手伝う!」
「オウ」
広い会場を見渡した。たくさんのお客さんが見える。
「二人が暴れまわる姿、早くみんなに見せたいな。ビックリするよ!」
笑顔で言えば影山くんも笑った

アップ終了間際、上から声が響く
「みなちゃん!!」
「!!」
声ですぐ分かる。潔子先輩だ!
上を見上げればシューズが入っているだろう袋が飛んでくる。しっかりキャッチした
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