第71章 春高 開幕!
「(あ!!)」
声が聞こえてきた方を見上げれば、嶋田さんたちが大きく手を振っていた。
初めての場所で緊張が強くなっていたから、こうやって知った顔を見れると嬉しくなる。
やっぱり安心するよね・・・
小さくうなずいた。
「(はい!頑張ります!)」
「えっ!?兄ちゃん泣いてる???・・・なんで?」
「なんか嶋田さんも泣いてるんだけど・・・」
一ノ瀬に続いて上を見上げた月島と山口が焦る。
「みなスゲーな!名指して応援されるなんてよ!」
「うらやましすぎるぜ!」
西谷と田中がクシャクシャっと一ノ瀬の頭をなでた
「わぁーーー!みんなテレビ前集合!」
「みなが!!みながテレビ映ってる!!!」
一ノ瀬宅で観戦している谷地たちが声を上げた。
テレビから”第一試合、烏野は1年生マネージャーがベンチに入るようです”と紹介されているのが聞こえてくる。
「みな!じいちゃんがついてるぞ!頑張れよーーー!
チビスケ達、気合入れてけ!!」
「じいちゃん!そんなに近づいたら見えないよ」
「えっ!?はちちゃん?」
スマホから聞こえる音に耳を澄ませた
急いで画面を確認すれば見慣れた女の子が映っている。
と同時に岩泉から着信が入った。
「おい!!見てるか?いま!一ノ瀬が映ってる!」
「岩ちゃんも見てる?」
「すげぇーな、ついにコート立つのかよ。しかもそれが春高なんてさ」
「ホントだよ・・・」
緊張はしてるだろうけど、晴れ舞台によく似合う誇らしげな表情
アナウンサーが烏野の選手紹介を伝えているが、画面はマネージャーの映像が続いていた。
烏野の選手たちよりもマネージャーがメインになってる。
「・・・ちょっとさ、このカメラマンはちちゃんのこと狙い過ぎじゃない?」
「確かに。ちょっと長いな?」
一ノ瀬のデビュー戦に対して至る場所で歓声が上がった。