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約束の景色

第67章 進化②


ドリンクを取りに日向くんもやってきた
「オイ!今日真ん中からの攻撃が少ねぇぞ。影山くんはビビってるのかな!?」
「あ”ぁ”!?」
「MBもっと使え!」
試合の記録を書いてあるノートを確認してみれば・・・確かに日向くんの言った通りだ。
「確かにいつもと比べると少ないかも」
「!!・・・次はもっと使ってやるから気合入れて跳べ!」
「オウ!」
影山くんの表情が変わった。


「(あ・・・!)」
影山くんの上げたトスで、月島くんが今までより高く跳んだ気がした!
スパイカーの100%を引き出すために上げたトス。
これは無茶ぶりじゃなくて、この人なら打てる!って”信頼のトス”
中学の時とはきっと違う。
今までのトスとも違う。
1歩前に進んだ、スパイカーの能力を引き出す攻撃的なトス。
烏野の火力がさらに上がった気がした。
影山くんの中の何かが吹っ切れたように、トスに迷いがなくなった。
それにスパイカーが答える。


「”セッターは支配者っぽくて一番カッコイイだろうがッッ”」
日向くんが影山くんの口調をマネした。
「あんな風に言ってた事すんなり消えるワケない。どんなに良いコぶろうとしてもお前の本質は王様なのだ。観念するがいい!!」
首に巻いていたタオルを取るとクルクルと形を整えた
「新 ”コート上の王様” 誕生だァー!」
「(あっ!王冠?)」
頭に乗せられたタオルをすぐに取って日向くんに投げ返す。
「(なんかいい空気感になってきた)」


試合が進むたびにみんなが意見を言い合う。
「烏野って・・・」
「ん?」
「烏野高校排球部って良いチームですね!」
「そうだね。私もそう思う」
潔子先輩と2人、コートの反対側からみんなを見た。
「(うん、本当に良いチームだな)」

練習試合が終わり、各自が自主練習をし始めた。
「(日向くんも影山くんも・・・本当にすごいな)」
さっきまで試合であんなに動いてたのに、もう練習してる。
競い合うようにグングンと前に進み続ける二人。
今回の合宿で、成長スピードに更に拍車がかかった気がする
「(・・・まだまだあの二人の背中は遠いかな)」
思わずため息が出た。
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