第64章 雨上がり
※おまけ
コーチが休みということで、白鳥沢の部員たちが合宿中の体育館にやってきた。
練習試合の相手になってくれるようだ。
「牛島さん!レシーブの時はどんなこと考えてますか!?」
日向が休憩中の牛島のもとへ駆けていき質問する。
1つ1つの質問に丁寧に答えてくれた。
「・・・そういえば、烏野のハチは元気にしているか?」
「ハチ?」
「マネージャーの彼女は”ハチ”という名ではないのか?」
「うちのマネージャー・・・。清水先輩ですか?一ノ瀬ですか?」
「及川と親しかったようだが・・・」
「それなら一ノ瀬かな?元気です!」
「そうか、一ノ瀬という名前だったんだな。なんで及川は”ハチ”と呼んでいたんだ?」
「??? なんででしょう?」
その日の夕方、及川の元に珍しい人から着信が入る。
「・・・なに?お前が俺に連絡してくるなんて明日は大雪になるんじゃない?」
「なんで”ハチ”なんだ?」
「・・・ハァ~?」
「烏野のマネージャーの彼女。お前は”ハチ”と呼んでいた。
しかし日向翔陽からは一ノ瀬という名前を聞いている」
こいつに正直に教えるのもなんかつまんないし・・・
「彼女は生まれが外国なんだ。だからミドルネームがあるんだよ」
「そうなのか!?それが”ハチ”?」
「そう。もしかして電話してきたのってそれ聞くだけの為?」
「ふと気になってな。ありがとう」
電話は一方的に切れた。
「どうせウシワカがはちちゃんに会うことはないだろう。
それにすぐ忘れるだろうし、まぁいっか!」
翌日、日向に手紙を託した牛島。
「前に失礼なことをしてしまったから。これを渡してほしい」
渡された手紙を開いた一ノ瀬。
青葉城西を弱いと言ってしまったことを詫び、春高での健闘を祈ると書かれていた。
「(失礼な事をしたのはこっちも同じだ。お返事書いた方がいいかな?・・・ん?)」
”帰国子女だということを聞いた。ミドルネームを持っているなんてすごいな。いつか向こうでの話を聞かせてほしい”
手紙はそう締めくくられてた。
・・・帰国子女?ミドルネーム?・・誰の事??
「日向くん・・・これ私宛で合ってる???」
「うん!合ってると思う!」
「(牛島さんって不思議な人なのかもしれない・・・)」