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約束の景色

第60章 夏のお返し


※おまけ

お言葉に甘えて練習を見学することにした。
「ほら、狂犬ちゃん!」
大王様がトスを上げる。
「(きょうけん・・?あの人、試合で凄かった人!)」
この間の試合で攻撃的なプレー、ものすごいインナースパイクを打っていた人!
「(大王様に犬関係のあだ名付けられてる人、私のほかにも居た!なんで”きょうけん”なんだろう!?)」
練習中、気になって16番の人ばかり見てしまう。

「お前のことずっと見てない?」
「・・・」

練習終わり、片隅で自主練する16番の選手に声をかけた。
「あっ、あの!」
「・・・?」
警戒しながらギロリとこちらを見る。
「”きょうけん”さんって呼ばれてるんですよね!犬好きなんですか!?」
大王様が”きょうけんちゃん”って呼んでた!
同じ犬関係のあだ名で呼ばれていることを知って一気に親近感が湧いてくる。
怖さよりも好奇心が勝って、夢中になって話しかけた


「・・・・」
目の前で子供のようにキラキラした瞳で答えを待っている。
「京谷が・・・困ってる。珍しい」
「・・・名前。京谷賢太郎だから勝手に略して呼んでる・・・・」
小さな声でそう答えてくれた。
「名前を略して!!!・・・それで狂犬なんてカッコイイですね!」
キラキラの視線がますます強くなる。
「!!??」
グイッと一ノ瀬が1歩近づけば、京谷が1歩後ずさる
「反応に困ってる・・・」
周りが面白そうに二人のやり取りを見守った
子犬が”構って!”と無邪気に成犬の周りをウロウロしているような光景

「この間の試合もブロック相手に思い切り振りかぶっての超インナーのスパイク!ものすごい迫力でした!」
「うす」
小さく頭を下げる。
もう一回近くで見てみたいです!とリクエストされ、勢いに押されたのかネットのほうに歩み寄っていく。
矢巾にボール上げろと投げてよこした。

「「「京谷が!岩泉さん以外に従ってる!」」」

衝撃の光景
1本、2本とスパイクが決まれば、一ノ瀬が歓声をあげた
「・・・ハミチキ好きか?」
「!? まだ食べた事ないです!」
「ついてこい」
「はい!」

「あれ?はちちゃんは?」
着替えて戻ってきた及川たちが一ノ瀬の姿を探す
「えっと・・・京谷と帰りました」
「「・・・えっ?」」

「ここのハミチキが1番美味い」
気分を良くしたのか帰り道におごってあげていた。
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