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約束の景色

第57章 東京前線① 【寄り道】


1日目、梟谷vs音駒の試合は梟谷の勝利
これで梟谷の春高出場が決まった。
音駒は同率3位の戸美学園と最後のイスをかけた戦いを翌日に控える。

今日の試合を終え、私たちも片づけを済ませ出口へ向かった。
「あれ?車のカギがない!?」
滝ノ上さんが焦ったようにポケットに手を入れた。
「カバンじゃないの?」
「いや・・・確かここに入れてたんだ。もしかして席に落としたか?」
「一ノ瀬ちゃんここで荷物見ててくれる?私達で探してくる!」
冴子さんと滝ノ上さんが会場に走っていった。
通路の端っこに荷物を移動させて二人を待つ。

ぼんやりと帰っていく人たちを眺めていると電話がかかってきた。
「東京無事に着いた?今日どうだった??」
通話ボタンを押したと同時に日向くんの質問がたくさん飛んでくる。
すごく気になってたんだろうな
「木兎さんたちは勝ちあがって春高進出が決まったよ!
明日は首位決定戦。音駒は負けちゃって・・・最後の出場権をかけての試合が待ってる」
「そっか・・・でも研磨たちなら大丈夫!絶対勝って春高に来る!」
力強く言い切った。
そうだね!きっと大丈夫!

電話の向こうが何やら騒がしくなる
「おい!なんだって?」
「こっちにも聞こえるようにしろよ」
しばらくしてみんなの声が聞こえてきた
「そっちどう?大丈夫?」
1番最初に聞こえてきたのは潔子先輩の心配そうな声。
大地先輩たちの”清水、子供じゃないんだから”と笑い声も聞こえてきた。
「お疲れさん。そっちの様子はどうだ?」
次は烏養コーチの声が聞こえてくる。
「会場が凄いです!人も多いし、応援も凄くて迫力があって・・
音に気持ちが飲み込まれます。いい意味でも悪い意味でも」
「(白鳥沢戦でも感じたがこの先”全国”となると余計に、か。こっちの対策も何か考えとくべきだな・・)」

「そうか。試合はどうだった?」
「梟谷はストレートで勝ちました!
木兎さんが調子を崩したように見えたんですが、赤葦さんが声かけて一気に復活しました。1度決まるともう止まらないって印象です。
音駒は・・・粘り強く繋いで、悪い内容ではないのに。
惜しいところまでいったんですが負けてしまいました。明日最後の出場権をかけて試合があります」
どのチームも手ごわいです、と締める。
「なるほど。滝ノ上にもしっかりビデオ頼むぞって伝えといてくれな」
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