
第52章 決勝戦 vs白鳥沢②【眈眈】

田中先輩がブロックアウトで点をとり24対24のデュース!
ここで西谷先輩に代わって日向くんがコートに入った。
「(日向くん頑張れー!)」
白鳥沢の速攻を止めに日向くんがブロックに跳ぶ!
「ナイスワンタッチ!」
そこから影山くんがツーアタックを決めた。
「「「ツー返し!!」」」
「(日向くんと影山くんが、コート上で暴れまわってる!)」
二人が生き生きと動く姿を見てるとワクワクしてくる!何かやってくれそうな予感がする。
2セット目からデュースが続きもうすぐ30点台にいこうとしてる。
ここで烏野のセットポイント
白鳥沢の強烈な攻撃をなんとか拾い続ける。
セッターがボールを牛島さんに上げた・・・
「!!!」
白鳥沢との試合を明日に控えた部活終わり。3人の帰り道・・・
「ツッキー、ウシワカに勝てそう?」
「僕がウシワカに勝てるワケないデショ」
決勝を明日に控え、山口くんと私が緊張した顔をしていても月島くんはいつも通りの表情
「ただ・・・何本かは止めてやろうと思ってるだけ」
「「!」」
月島くんから出た言葉に思わず驚いてしまった。だって・・・そういう事今まで言ったことない。
「なに?」
この人は出来ないことを口に出したりしない。
日向くんは”かっこ悪いところ絶対見せないやつ”って言い切ってた。
「(出会った頃と印象変わったな)」
日向くんたちの、東京合宿で一緒になったメンバーの、みんなの影響で少しずつ変化していってるのかな
「期待してる!」
力強くそう言うと「君が力入ってどうするの?」と呆れたように笑った
「(リード・ブロック)」
月島くんは宣言通り、牛島さんの強烈なスパイクを止めた
完璧なブロック!ナイスどシャット!
第2セット終了の笛が鳴り響く。
「「「うおあアァァァア!!」」」
コートのみんなが歓声を上げて月島くんに飛びついた。
「蛍はずっと機会を窺ってた・・。試合中も冷静に。アイツ本当にすごいな」
明光さんが嬉しそうに身を乗り出す。
私も一緒になって身を乗り出す。
「(東京合宿で黒尾さん、木兎さんと沢山練習して、明光さんのチームでも社会人の人たち相手に練習し続けてた。・・・ずっと頑張っていた月島くんの才能が開花したんだ!)」
今、この瞬間が・・・木兎さんが言ってた”バレーにハマる瞬間”なのかもって気がした。
第2セットを獲り返して、烏野が流れを引き寄せる
