第50章 球技大会
「凄かったな・・・最後の一ノ瀬の集中力」
「声もよく出てたし、いい活躍してたな!最後のは本当に痺れた!」
「みなーーー!」
大きな声で呼ばれ急いで視線を動かした。
西谷先輩が満面の笑みでこっちを見てる。
「ナイスレシーブだったぞ!!!」
「!」
バレーの師匠から・・・褒められた!嬉しくてガッツポーズする。
勝ったって実感が湧いてきて、だんだんと目が潤んできた。
「一ノ瀬ちゃん・・・」
道宮先輩の目もうるうるしている。
二人でギュッと抱き合った。
そこに潔子先輩、同じチームの人たちが重なる。
みんなでギュウギュウになって苦しいけど、すごく嬉しい!
「ねねっ!!バレー部入らない!?」
「来年に向けて一緒に頑張ろうよ!」
今から練習したらインハイ予選には間に合う!そう言って囲まれた。
「だ、ダメです!一ノ瀬はうちのマネージャーなので!」
日向くんと西谷先輩がとっさに間に入ってきた。
「あぁ~残念!」
「道宮、お疲れさん。すごい試合だったな!引退するの早かったんじゃないか?」
「そうかも?・・・一ノ瀬ちゃんのおかげだよ。久しぶりにバレー出来て楽しかった」
「なんたって俺たちが教えたからな!白鳥沢戦に向けていい流れ作ってもらった気がする」
澤村の後ろで、菅原と旭が一ノ瀬の頭をぐりんぐりん撫でていた。
「すごいぞ!」
「よくやったなー!」
周りで他の部員たちも口々に「良かったよ」と声をかけていた。
「バレー部のみんなに愛されてるな~」
でもその褒め方って・・・なんか女の子にやるのとちょっと違う気がするけど?
「みんなで子犬可愛がってるみたい」
道宮がクスクス笑った。
「山口すごいな・・・」
カメラを見た縁下が驚く。一ノ瀬が最後にボールを拾った姿が綺麗に写真におさまっている。
「写真上手だね!!」
「本当だ!この写真カッコいい!」
女子たちに褒められて照れる山口。
「一ノ瀬の写真ばっかりだけどな?」
縁下がからかうように言えば、山口が顔を真っ赤にした