第5章 GW合宿
ついにメンバー全員揃った烏野高校排球部にうれしいお知らせが。
GW合宿&最終日は東京の古豪「音駒高校」との練習試合!
音駒高校は通称「ネコ」と呼ばれ、烏野の因縁のライバル。
前の監督同士がずーっと昔からのライバルで、実力も近く相性が良かったからよくイイ練習試合をしていた。
練習試合があると近所の人たちが皆見に来たらしく
”名勝負!『猫対烏!ゴミ捨て場の決戦』”
なんて言われていた、と先輩たちが教えてくれる。
合宿なんて初めてだし、東京の高校と練習試合なんて・・・話を聞いてるだけでドキドキした。
そして更に嬉しいお知らせが!
明日からの合宿に備えて先輩たちからTシャツのプレゼント
「西谷御用達の店でTシャツ作ったんだ!みんなの言葉は俺たち3年が考えてみたんだ」
「清水と一ノ瀬のは西谷と田中が考えてたな」
これ着てみんなで写真撮ろう~と菅原先輩、澤村先輩が配ったTシャツは・・・
日向くんは「大器晩成」、影山くんは「単細胞」、月島くんは「草食動物」、山口くんは「軟体動物」と書かれていた。
わーわー言いながらみんなさっそく着替えている。
そして西谷先輩からTシャツを渡された。
「一ノ瀬はなんて書いてあった?」菅原先輩がのぞき込む
わくわくしながら広げるとそこに書かれた文字は・・・
『忠犬ハチ公』
「一生懸命頑張る姿、構いたくなるところ、健気さ!それにみなは犬っぽいしな!可愛くてぴったりだろ?」
俺と龍のイラスト入り自信作だ!と親指をぐっと立てて言う西谷。
文字の下に犬?らしき何かが描かれている
「え・・・?」納得いかない一ノ瀬
「「「「(忠犬ハチ公!これは一番ぴったりだ)」」」」
その場にいる全員が納得する。
「清水先輩はなんて書いてあったんですか?」
「・・・・」
無言でこちらに向けたTシャツには「清水潔子」と書かれていた。
「フルネーム・・・・ですね」
先輩がこのTシャツを手にした姿を見ることはその後一度もなかった