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約束の景色

第50章 球技大会


「(新しいカメラ欲しいなぁ・・たまに写真頼まれた時にもっといい写真撮れるようになりたい)」
今使っているカメラは中学時代に先輩から安く譲り受けたもの。
そろそろワンランク上のカメラを手にしてみたくなった。
「(・・・でもお金足りないか。嶋田さんのとこアルバイト募集してないかなぁ?)」
頭の中がカメラの事でいっぱいになっていく。

「・・・ねぇ、ちょっと。みな、呼ばれてるよ!」
「えっ?」
はなちゃんの声で意識が教室に戻る。
「一ノ瀬さんバレー部だしどうかな?」
クラス委員長に呼ばれて急いで立ち上がる。
「は、はいっ!!!」
「良かった。じゃあ決まりね」
黒板に”クラス代表 バレーボール女子 一ノ瀬みな” と書かれた。

週末に行われる球技大会。
全員参加のものとは別にクラス代表が集まって男子は野球、女子はバレーボールの試合が行われる。
ボーっとしていたらいつの間にかクラス代表に選ばれてしまった
「大丈夫なの・・・?」
青ざめた顔した私を見て心配するはなちゃん
「どうしよう・・・」


昼休み、クラス代表の顔合わせ。
「あれ?一年生マネージャーちゃんだ!」
どこかで見たことある顔な気がする・・
伊達工との試合の時に一緒に応援してくれた女子バレー部の先輩たちだ!
「もしかして1年生代表?」
道宮先輩もいる!
「は、はいっ!!バレー初心者ですがよろしくお願いします!」
「いいね。すごく声出てる」
笑われてしまった。

球技大会までは、はなちゃんと谷地ちゃんに練習付き合ってもらうことにした。
「月島くんたちにお願いしたほうがいいんじゃない?」
「私たちじゃあんまり役に立てないかも」
もうすぐ春高代表決定戦の決勝戦が迫っている中、みんなの貴重な練習時間を奪うわけにはいかない。
「もうすぐ決勝戦あるから迷惑かけたくないんだ」
「そっかぁ・・もうすぐだったよね。気使っちゃうか」
「「よしっ!私たち全力で手伝うから!」」
「ありがとー!」
烏養コーチや、秘密特訓の体育館で一緒になった時に明光さんにもアドバイスをもらうことにした。
自分が頼める範囲でお願いできる人に助けてもらう。

「蛍たちに練習付き合ってもらったら?」
「決勝戦が近いんです。余計な時間使わせたくないです」
「(一ノ瀬ちゃん優しいからな~そういう風に考えちゃうか)」
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