第46章 代表決定戦！　vs青葉城西②　【狼煙】

「「「もう一本！」」」
打ったサーブはネットに当たって青葉城西側に落ちた。
「ネットイン！！」
「これで同点！追いついた！」
「あのネットイン、和久南戦でもあったよね！」
「和久南戦と今のとでは全然違うよ。
あの時は”サーブが入るか入らないか”で頭がいっぱいだったけど・・・今考えてるのは”どこに決めるか”」
「「ホァー！」」
嶋田さんの解説に冴子さんと二人で声を出す。
山口くんはずっと攻めのサーブ打ってるんだ。
しかも”どこに決めるか”って狙って。

試合は２３対２３、山口くんのサーブから烏野に流れはきてる！
「山口くん！もう一本！」
続けて放ったサーブを青葉城西が上げた。
打たれたスパイクを月島くんが防ぐ。
「「「ナイスワンタッチ！」」」
田中先輩が繋いで最後は旭先輩が打った。
「ブロックアウトだ！」
「ナイスジャッジ！」
ついに烏野がマッチポイントを迎える。
「(あと１点！)」

でも青葉城西が決め返す。
こちらに来ていた流れを岩泉さんが断ち切った。
”あと１点”
それがすごく遠い・・・。
烏野が点を決めれば青葉城西はあっさりと取り返してくる。
「あっ」
きた。ここで大王様のサーブだ。
大王様の周りの空気が一気に変わった気がした。
放ったサーブはすごい音を立てて西谷先輩のところへ飛んでいって決まった。
それを合図に会場が一気に盛り上がる。
「すごい盛り上がりですね」
驚いてキョロキョロと周りを見渡す。
「及川君のサーブはやっぱりすげぇーよな。会場の空気すらも一気に変える」
滝ノ上さんが苦笑いした。

烏野がサーブレシーブを３人体制に切り替える。
「旭先輩もサーブレシーブ入りました！」
「及川君のサーブがコントロールより威力重視になってるように見えるから、どんな形であれ触って上げられるようにしたのかな？
烏養が何か指示したようには見えなかったから・・・西谷と澤村の判断だろう」
今は青葉城西のマッチポイント。
大王様がサーブを打つ。
「大地先輩！！ナイスレシーブ！！」
「長いか！？」
ネットを超えたボールを青葉城西の選手が叩く。
「龍！ナイス！」
田中先輩が拾ったボールを影山くんが旭先輩に繋いだ。
でも決まらず青葉城西の攻撃になる。
岩泉さんのスパイクが決まった。
「！」
「くそぉ！」
試合はファイナルセットへ
「青葉城西との試合はいつもフルセットですね・・・」