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約束の景色

第46章 代表決定戦! vs青葉城西② 【狼煙】


烏養コーチに背中を押されて、山口くんがコートに歩いてきた。
「忠・・・!頑張れよ!」
コートを見つめる嶋田さんの緊張が伝わってくる。
「(・・・大丈夫!)」
日向くんたちだけじゃない。
月島くんだって、山口くんだってずっと頑張ってきた。
「(山口くんは大丈夫!)」


「(ツッキーが、一ノ瀬ちゃんが・・・
俺のこと待ってる。俺にも出来るってずっと信じてくれてる)」
ゆっくり呼吸を整えたあとボールを見る。
「(もう逃げない! 俺だってここで戦えるんだ!)」


落ち着いたいつもの動作で、山口くんがサーブを打った。
「アウト!!!」
青葉城西のリベロが叫んでボールを見送る。
でも・・・ボールが曲がった!
ラインジャッジの旗はおりてる。
「!!!」
山口くんのジャンフロで烏野が反撃の狼煙を上げた


「うおおっしゃアアアア」
山口くんの雄叫びと同時に烏野コート、ベンチ、観客席から喜びの声が上がる。
西谷先輩と日向くんがコートに駆け込もうとするのを菅原先輩たちが止めた。


みんなが称賛の声を上げる中、月島が静かに口を開く・・・
「山口は・・・」


「「「うぉっしゃぁぁぁーー!」」」
「嶋田の弟子!ついにやったじゃんか!すげぇな!」
滝ノ上が嶋田の背中をバチバチ叩きながら喜ぶ
「山口くんは・・・」


「「この5か月、誰よりもサーブ練習してきました。だから驚かないです」」


月島と一ノ瀬がそう言ってサーブを決めた山口を見つめた。


「(山口くんやったね!私の喝なんて必要なかった)」
あの時言った通り逃げないで戦ったんだ。しかも一人で!
コートではすごく良い顔した山口くんが見える。
「(カッコイイね!)」

隣で嬉しそうに笑う一ノ瀬を嶋田が感謝の気持ちで見つめた。
「(忠の頑張り、ずっと見てくれてありがとうな)」


続けてもう1本サーブを決める。
「サービスエース2本目!」
「「「もう1本ー!!」」」
山口くんの3本目
オーバーで拾われたボールを岩泉さんが力強く打ち抜く。

「身体に当てた!?」
山口くんが上げたボールを月島くんがブロックアウトで決める。
「すごい・・・山口くんも月島くんも・・二人とも本当にすごいよ」
山口くんのサーブで流れを変えて、じわじわと烏野が点差を縮めていく。
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