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約束の景色

第43章 代表決定戦! vs和久谷南 【襷】


「一ノ瀬ちゃん!澤村の状態は!?」
「あのあと試合戻ってこなかったけど大丈夫なの?」
試合終わりまで姿が見えなかったから、嶋田さんも冴子さんもすごく心配していた。
「痛みと出血が酷かったから安静にしてたんですが、もう大丈夫そうです!試合も途中から見てました」
「「良かった~」」
大丈夫、という単語を聞いて二人が胸をなでおろす。
「横断幕は片付けておいたし、一ノ瀬ちゃんの荷物もここにある。
すぐみんなのところ戻るんだろ?烏野は最近ケガが多いから焦って転ばないように気をつけろよ」
嶋田さんが一か所にまとめておいてくれた
「ありがとうございます!」
また後で、って挨拶して荷物を持つ。


みんなのところへ戻る途中、髪も顔もびしょ濡れの縁下先輩がいた。
「縁下先輩!どうしたんですか!!?
・・・タ、タオル!風邪とか体調くずしたら大変です」
「一ノ瀬?」
ビックリした顔で渡したタオルを受け取った
「途中から見てました!最後のナイスレシーブでした!!」
大地先輩がいない間、代わりに入ってプレッシャー凄いはずなのにあの活躍!
「全体的に見たらミスばっかりだったよ・・それに、大地さんが戻ってきた姿見て安心したんだ。俺・・・」
くやしそうに顔をゆがめる。
「(次の相手が誰であろうと俺が戦ってやるって思えよバカ!)」

「縁下先輩!ミスもあったかもですが、ナイスレシーブがあったのも事実です!それでも悔しさが強いなんて・・・。
そんなに向上心の塊なら、次出たときはもっと良いほうのプレーが増えますね!」
私だったら1つ良いプレーがあったらミスなんて全部帳消しにしちゃうかもなのに。
先輩は自分に厳しい人だ。
「・・・」
ポカンとした顔でこっちを見た。
「一ノ瀬は俺がそんな風になるって期待してくれるの?」
「はい!!」
あんなプレー見せられたら期待するなって方が無理だ。
「ありがとう」
さっきまでの悔しそうな表情が消えて、目の前の縁下先輩が笑う。
「(一度逃げ出した俺を待っててくれる人たちがいた。期待してくれる人もいる。まだ大地さんのような活躍は出来ないけど・・・期待されるって悪くないな)」


「それ横断幕?持つよ」
「今日はまだもう1試合あるんですから、体ちょっとでも休めてください!次の対戦相手どこになるんでしょうか・・・」
二人並んでみんなのところへ戻る。
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