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約束の景色

第43章 代表決定戦! vs和久谷南 【襷】


代表決定戦 準々決勝
烏野高校vs和久谷南高校

「(烏養コーチは烏野と相性が悪いって言ってたな)」
どうか何事もなく試合が進みますように。
そんな祈るような気持ちでコートのみんなを見守る。
「フレェーフレェー!たァーけェーるゥー!」
和久谷南高校側から一際大きな応援が聞こえてきた。
和久南名物の”家族応援団”らしい。

「一ノ瀬ちゃん!ちーす」
「嶋田さん!こんにちは!!」
「久しぶりだな。いつも頑張ってるって忠から聞いてるぞ」
「コツコツ頑張ってます」
「今日は滝ノ上、午後からなら応援来れるかもって。いまは人数少ないけど頑張ろうな?」
「はい!」
「オォーッ。テンションアガる!」
後ろからよく通る声が聞こえてきた。
「こういうの血が騒ぐよねーっ」
わぁぁ!!冴子さんだ!合宿ぶりかな?
「知り合い?なんか誰かに似てる気が・・」
視線を感じて冴子さんがこっちを見た。
「どーも。龍之介がいつもお世話になってます!姉の冴子です!!」
「(田中の!姉!似てる!!)」

「冴子さん!お久しぶりです!」
「おっ!一ノ瀬ちゃんじゃん。元気してた?」
ヨシヨシ、と頭を撫でられる。冴子さんの元気な笑顔見てるとこっちまで元気になってくるんだよね。
コートを見下ろしてニカっと笑う。
「龍~~!龍ちゃーん!」
2階から響く大きな声で田中先輩がこっちに気づいた。
「姐さん!!!」
「ゲェッ」
こっちに向かって両手を振る西谷先輩とは対照的に、田中先輩の表情が曇る。

試合開始の笛の音が響く。
和久谷南高校のサーブから始まった。
「よし!まずは一発。速攻で度肝抜いたれ!!」
日向くん、影山くんコンビの速攻が決まる。
二人の速攻初めて見たチームはほとんど驚く。それなのに・・・
「なんだ?和久南の選手はあの速攻に驚いてないな?」
「落ち着いてますね」
まったく慌てる様子がない。

日向くんが決めれば向こうの主将がブロックアウトを狙って点を獲る。
「日向に対して長身MBでコース絞ってるな」
「ここでガツン!って1発ないの?」
冴子さんが言ったその瞬間、旭先輩が決める。
「すっごい音!」

その後も僅差の試合展開が続く。
ブロックアウトを狙ったボールを大地先輩が拾い、それを西谷先輩が繋いだ。
「「ラスト返せー!」」
「えっ・・」
ラストボールを返した直後、田中先輩と大地先輩が接触した
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