第4章 帰還
先日行われた練習試合の帰り、烏野バレー部にはあと2名部員がいることを聞いた。
『守護神とエース』
烏野の守護神は部活禁止期間がもうすぐ終了して戻ってくる。
清水先輩と一緒に体育館へ行くと、1年生の輪の中に見たことない人
「あれ?誰か来てるみたいですね」
「うん?あぁ、あれは・・「潔子さぁーん!!!」
貴方に会いに来ました!と大きな声で清水先輩の名を呼び走ってくる。
先輩に飛び掛かったところで横にいる私にも気づいた。
「あ!」すごい音を立ててそのまま壁に激突。
「だ、大丈夫ですか?」
スッっと立ち上がる
「もちろんだ!・・・見たことない顔だな」
「1年マネージャーの一ノ瀬みなです」
「マネージャー!?来なかった間に潔子さん以外にも女子が増えたのか・・・」
そのまま動かなくなった。
清水先輩に視線で助けを求める
「この人は2年の西谷。烏野バレー部の1人でうちのリベロだよ」
西谷・・・最近どこかでこの名前聞いた気がする・・・あ!
「守護神の西谷先輩ですか!」
そうだ!澤村先輩がこの間教えてくれた烏野の守護神 西谷夕先輩
田中先輩は天才だと言っていた。
「守護神・・・先輩・・センパイ・・・グッ!」
胸を押さえたまま立ち尽くす。
守護神・先輩という単語に西谷は心を打ち抜かれた。
「旭さんは??戻ってますか?」
「・・・いや」西谷先輩の質問に澤村先輩が答える。
旭?前に言ってた烏野のエースが旭さんなのだろうか?
放課後、日向くんたちの練習のお手伝いをする為に急いで体育館へ向かう
「(誰かいる。体育館覗いてるけど入らないのかな?)」
昨日は西谷先輩がいたし、今日も見たことない人。最近多い。
月島くんと同じくらいの身長?でもなんか大きく感じる。髭もあるし、とても大人っぽく見える。
「あの・・」
急に声をかけられてビックリしてる。
「ゲッ!!」
私の後ろを見て更に驚いて逃げようとした。
「おい!逃げるな!」澤村先輩が立っていた。
「ひと月もサボった事とか、なんか色々気まずいとかそういうの関係ないからな!まだバレーが好きかもしれないなら戻ってくる理由は十分だ。それにな・・・”エース”に夢抱いてるやつも居るんだからな」
行こう一ノ瀬、と澤村先輩が体育館へ入っていったので慌てて後を追いかける。
チラッと後ろを振り返ると、男の人は辛そうな顔をしていた。