第39章 最終合宿 1日目 託す者・託される者
※おまけ
芝山がソワソワしながら立っている。
「どうかしたの?」
「あ!一ノ瀬ちゃん!」
良かった、って安心したように駆け寄ってきた。
「西谷さんに聞きたいことあるんだけど・・・いま話しかけにいっても大丈夫かな?」
「大丈夫だと思うよ!」
二人で自主練中の西谷のところへ向かう。
「なんだ?二人してどうした?」
「西谷さん!どうすれば試合中も平常心でいられますか!?」
「どう・・・・。」
芝山の質問に”んー?”としばらく考え込む。
「・・・わかんね」
「(はっ!?これこそまさに真理!!これぞ平常心!平常心そのもの!)」
「(余計なことごちゃごちゃ考えるなって事かな!
・・・なんかシンプルな答えでカッコいい気がする!)」
質問した芝山、横で聞いていた一ノ瀬の胸に西谷の言葉がグッ!と突き刺さる。
はわわわぁ~と尊敬の眼差しで二人が西谷を見た。
「よし!じゃあ一緒に練習するか」
「「はいっ!!」」
「いまみたいな時はどうやって動くのがいいですか?」
「ダァ!って感じだな」
「・・なるほど・・・!(僕には未知の領域だ・・・!!)」
「(西谷先輩は感覚派だから体で覚えなきゃダメなのかも・・。
イマジネーションですね!さすがです!)」
2人目の西谷信者が誕生した瞬間だった。
「あれって質問の答えになってんの?」
「あの二人にはものすごく刺さってそうだからいいんじゃないか・・?」
近くにいた黒尾と澤村が三人のやり取りを不思議そうに見届けていた。