
第34章 合宿2回目 ご褒美BBQ

「お疲れ~。各自気を付けて帰れよ」
1週間の長期合宿が終わり、無事に烏野高校へ戻ってきた。
バスから荷物をおろしたあと、コーチや先生たちの挨拶が終わるとみんなそれぞれ帰っていく。
「やるよな?」
「おう!」
練習が足りないからと日向くん、影山くんが烏養監督のところへ行くらしい。
影山くんは日向くんが烏養監督の指導を受けていることを知って驚いていた。
「お前っ!抜け駆けしてたのか!?」
「コーチに連れてかれたんだよ」
そんな言い合いをしていたかと思えば、月島くんたちと帰ろうとする私を見つけて、急いで引き止める。
「待って!もうちょっとだけいい?」
「少し時間あるか?」
一緒に烏養監督のところに行ってほしい、日向くんたちはそう言った。
君たちだけで行きなよ、って月島くんに言われても譲らない。
「日向くんたちだって体疲れてるんだし、ちょっとやったら今日は帰ろうね?」
「「すぐ帰るから!」」
約束して、3人で烏養監督のところへ向かう。
「みなちゃん!お帰り~。いつ合宿から帰ってきたの?」
「ただいまです!さっき帰ってきました」
「えっ・・・今日帰ってきてそのままここに来たの?」
「あそこの二人が練習し足りないからって・・・」
苦笑いしてコートに立つ日向くんたちを見る。
「翔くんの横の子、初めて見るね?」
「日向くんの相棒の影山くんです!」
「さっきから速攻やろうとしてるんだけどずっと失敗してる~」
優くんが言ったその瞬間・・ついに二人の速攻が決まった。
「いまの見た!?」
「見てたか!?」
嬉しそうな顔で二人が一斉にこちらを振り向いた。
横に居た優くんたちが、初めて見る日向くんたちの速攻に「すごい!」と驚きの声をあげる。
にっこり笑って何度もうなずくと、二人も満足そうに笑った。
「こりゃすげーな・・・」
目の前で二人の速攻を見た烏養監督が、驚いて口をポカンと開けた。
「ただいまー!」
家に帰ればおじいちゃんとおばあちゃんが笑顔で出迎えてくれる。
「遅かったな。道混んでたのか?」
「ううん!戻ってから日向くんたちと・・・」
一週間の合宿で起こったことを二人に話していく。
「それでね、色々教えてもらって・・・」
「校庭で花火大会したんだよ!そしたら・・」
「分かった!続きは明日聞くから今日はいい加減寝ろ!」
はしゃぎすぎて翌日久しぶりに体調を崩した。
