第33章 2回目合宿 最後の夜
「おぉーーい!二人ともここにいたのかよ。
これからキャプテン対抗の線香花火大会やるんだって。応援しよ!」
日向くんが迎えに来てくれた。
「それは応援しないと!明日の試合の勝敗にも関係してくるかもしれないね?」
「うちが絶対勝つだろ!」
「大地さんを全力で応援しよう」
並んで歩いて行く。
「一ノ瀬と影山は花火やった?」
「さっき来たところなんだ。だからまだ花火やってないの」
「俺もさっき来た」
沢山買ってきたけど、多分もう少なくなっちゃってるだろうな。
「やっぱり!ふふふ、そうだと思って・・・」
日向くんがTシャツをめくるとズボンに何本か花火が刺さっていた。
「じゃーん!こっそり取っておいた!」
「お前すごいな・・・」
「あとで3人でこっそりやろうぜ!まずは大地さんの応援から」
早く、早く!と言って一ノ瀬の背中を押す。
「日向!」
影山が先を行く日向を呼んだ。
「うん?なんだよ。お前も早く来いよ」
「勝って東京のでっかい体育館、必ず行くぞ!」
「もちろんだ!」
二人が最高の笑顔で笑う。
こんな風に話せる日が戻ってきて、本当に良かった。
「影山も一ノ瀬もどこいたんだよ!せっかくの花火大会だったのに」
スガ先輩が怒ったようにそう言ったあと、ニヤリと笑った。
「優しい先輩たちがお前たちの分、しっかり確保しといたぞ!」
「手持ち花火しか残せなかったけどな?」
「これで文句言ったら俺が殴ってやりますよ」
「あとでみんなでやろうな」
「まずは大地さんに頑張ってもらわないと!」
赤葦さんの合図で線香花火大会が始まる
「大地!やったれー!」
「頑張ってくださーい!」
「大地さーん!絶対優勝しましょう!」
「おいっ、西谷!揺らしたら落ちちゃうだろ」
烏野の思い出がまた一つ増えた。