第30章 合宿2回目 ハーゲンダッツ
※おまけ 後日談
一ノ瀬と少しでも喋れるようになる為に山本は考えた。
まずは『一ノ瀬に似てるものを見て慣れよう!』と。
部活終わりの帰り道、ゲームセンターで見かけたUFOキャッチャーに目を奪われる。
ケースの中には可愛い柴犬のぬいぐるみがズラリと並んでいた。
どのぬいぐるみも愛らしい表情でこちらを見ている。
「あの・・・これ・・・」
なんか一ノ瀬ちゃんに似てませんか?と聞けば
「・・・言われるとちょっと似てるかも?」
「確かに雰囲気はある・・か?」
と返事が返ってくる。
”これだ!”とピンときて財布のありったけのお金でトライする
・・・・が取れない。
「なんだよ?山本これ欲しいのか?」
「全然お前に合ってないけど」
「次会った時は少しでも話せるようにこれ見て慣れる練習を・・・」
顔を真っ赤にしてまでそう言う山本の為に、みんなでチャレンジする。
”この頑張りは応援してやりたい!”
協力して手に入れた柴犬のぬいぐるみは、その後音駒の部室に飾られた。
「これ付けたら可愛くなりそう」
福永が部室に転がっていた赤いひもをぬいぐるみの首に付ける。
鼻歌を歌いながら可愛く蝶々結びした。
”このぬいぐるみをなでてから練習すると上手くいく”
という謎のジンクスも生まれる。