• テキストサイズ

約束の景色

第30章 合宿2回目 ハーゲンダッツ


「山本さんに嫌われてるのかな?ずっと避けられてる気がして・・・」
次の試合に向けての準備中、リエーフくん、犬岡くん、芝山くんにずっと気になってたことを相談した


女の子の免疫がない山本は、音駒の臨時マネージャーとして試合中にベンチに入っている一ノ瀬とほぼ会話しない、視線も合わない状態がずっと続いている。
「山本!いい加減慣れろ!」と黒尾に何度も注意されるがダメだった


「山本さんはハーゲンダッツのアイスが好きだから差し入れしたら喜ぶかも?」
「負けたペナルティでよく”ハーゲンダッツ”って言ってる!」
「うんうん!」
3人がアドバイスをくれる
「ハーゲンダッツ・・・」
買い出しで外に出たときにこっそりアイスを買って帰った。
食事が終わり、各々が部屋でゆっくりした時間を過ごす中、リエーフくんが「山本さんいま部屋にいる」と食堂でスタンバイしていた私を呼びに来る。
冷凍庫から部員のみんなに買ったアイスと山本さん用のハーゲンダッツを出し、緊張しながら音駒の大部屋へ向かった

「こんなとこでどうした?こっちの階に用か?」
部屋に向かう途中、研磨くんを迎えに行く黒尾さんに会った。
「音駒の皆さんにお疲れ様のアイスを渡そうと思って!」
手に持ったアイスでいっぱいのビニール袋を掲げる。
「おぉ!それは嬉しいな。いま研磨呼んでくる。みんなは部屋にいると思うぞ」


いつもの定位置、ロビーのソファーでゲームをしている研磨。
「おっ、いたいた。今日はここにみなちゃん来ないぞー」
「・・・別に待ってるわけじゃないし」
「いま俺らの部屋にいるよ」
「なんで?」
スマホから顔をあげる。
「アイスの差し入れだとよ。早く行かないと無くなるぞ?」
「早く言ってよ」


二人が部屋に戻ると・・・

廊下の端と端で正座している山本と一ノ瀬がいた
「「これどういう状況?」」
「それが・・・」
夜久の説明によると・・・

差し入れを持ってきた一ノ瀬が、一人ずつアイスを配り、最後に山本にハーゲンダッツを渡そうと近づいたら山本が距離を取った。
負けじと近づくとまた距離を取る。
ついに部屋の隅に追い詰められた山本は走って逃げだした。
それを一ノ瀬が追いかける。
騒いで廊下を走っていた二人は当直の先生に見つかり怒られ、罰として1時間ここで正座することになったらしい
/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp