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約束の景色

第25章 想い


一ノ瀬ちゃんにそんな風に言われると調子乗っちゃいそうだ。
この人は俺のこともちゃんと見ててくれるんだなって。
それに・・・頑張り屋さんなのも知ってる。

壮行式の写真を清水先輩たちに頼まれた日の帰り道
「バレーの写真がいっぱい載ってる雑誌ってなにかある?」
「そうだな。月バリとかは?今持ってるんだけど・・・」
こういうやつってちょうど持っていた雑誌を渡す。
「こういう瞬間がバレーでカッコイイ写真?どういう写真が撮られたら嬉しい?」
「スパイクのシーンとか、決めた後の喜んでるやつとかカッコイイかな。こういうのもいいよ!」
「そっか・・・こういう瞬間か・・・」
真剣に1ページ、1ページ見ている。
「もしよかったら借りてもいい?」
「いいよ!違う号もあるけど見る?」
「見たい!」
後ろで流すだけだし雰囲気分かるくらいの写真でいいって先輩たち言ってたのに・・・。
部活だってあるし、もうすぐテスト勉強だってしないとなのにそんなに頑張るの大変じゃないのかな?
「チラっと見せるだけでも、どうせなら皆のカッコイイ写真見てもらいたいよね!でも私バレーの写真どんなのがいいのか分からなかったから・・・山口くんに聞いて良かった。
初めて先輩たちに任せてもらえた仕事だから頑張りたいんだ!」

GW合宿の後からバレーの事たくさん勉強してたし、バレー部の為にポスター作ってくれてた。
俺たちと同じコート立ちたいって頑張ってるのも知ってる。
皆が見てないところでもいつもたくさん努力してて本当にすごいなぁ
この人に認められたいな、って思う


「最近、気合入ってるよな?東京合宿の影響か?」
「参加してた高校はどこも強かったです。俺ももっと頑張らないと」
「春高予選前にもう1回合宿あるんだよな?頑張って経験値
上げて来いよ~。・・・おっ!あれ一ノ瀬ちゃんじゃないか?」
街頭に照らされてこちらに歩いてくる二つの人影が見えた。
「お疲れ様!嶋田さんもお久しぶりです」
「お疲れ様っす」
じゃあまた明日ね、って一ノ瀬ちゃんが声をかけると「おう」と返事をした影山。
こちらにもペコリとお辞儀をして走り去っていった。
今日の練習が終わり嶋田さんと軽く会話をしたあと二人で並んで帰る。

分かれ道まではここからすぐ
あっという間の何気ない時間だけど・・・
俺はこの時間すごく大切にしたいって思った。
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