第25章 想い
放課後、潔子先輩と待ち合わせして部活の備品の買い出しに出かけた。
もうすぐ夏休みが始まる。その前に色々と準備!
二人で買い物に出かけるの、そういえば初めてだ
「荷物持ちとしてついていきます!」と田中先輩、西谷先輩が言ったが
潔子先輩に「大丈夫。自分たちで持てる」とドシャットで止められた。
先輩たちは本当に潔子先輩のこと好きだよな。
”俺たちが付いてけるように一言いってくれ!”って目で訴えかけられたが、首を横に振る。
一ヶ月後には春高予選が始まる。いまはしっかり練習に集中してほしい。二人ともすみません。
潔子先輩のことは私に任せて!
こちらもアイコンタクトで伝える。
”練習に集中してください”
二人は石になったみたいにピタリと動かなくなった。
メモを見ながら必要なものをかごに入れる。
買うものはほぼ揃えられたかな?これで大丈夫。
「あ・・・」
ふと、シューズ売り場の前で足を止めた。
今まで体育館履きをはいていたけど私もバレーボールシューズ欲しい。
みんなと・・・合わせたいなって。
「みなちゃん何か忘れ物あった?」
「潔子先輩・・・私もシューズ欲しいなって」
「あ!今は体育館履きだったね?特に強制ではないんだけど・・・あるといいかも!」
ちょっと見ていこうか、と二人で売り場に歩いて行く。
棚には色々なシューズが並んでいる。
「見ると迷っちゃいますね・・」
見ているとその色を履いていたみんなが頭に浮かんだ。
「(これ・・・・カッコイイ)」
黒色で白いラインが入ってる。
白だとすぐ汚しちゃいそうだし黒なら安心、何よりカッコイイ!
「それカッコイイね!」
潔子先輩が横から覗き込んだ。そう思います?って見たら笑顔で「うんうん」ってうなずく。
「ねぇ、みなちゃんが嫌じゃなかったら・・・二人でお揃いにしない?」
横の棚に並んでいた靴ひもを手に取った。
「いいんですか・・・?」
「願掛けじゃないけど、私たちマネージャーのお守りに。
”みんなで春高いけますように”って」
「嬉しいです!お守りにしましょう」
二人で何色がいいかと選ぶ。結局烏野カラーだからってオレンジをチョイスした。派手になっちゃったけど可愛い。
「シューズ、今度買いに来ます!今日は先に靴ひもを」
二人で同じ包みを受け取った。顔を見合わせて笑い合う。
大好きな人とお揃いってなんかいいな。