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【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる

第15章 一陽来復を願う(外伝・伏黒恵視点)







帳の中へと入り、さんと二人で獣道を辿って奥へと進むのだが、俺はまだ先程のことを引き摺っていた。

生意気に口答えした俺を許すどころか、自分の方に非があったと馬鹿丁寧に謝罪なんかして…

俺はふと自分の姉のことを思い浮かべた。
さんはきっと津美紀と同じ類の人間だ。

「…さんは、姉に似てます」

感じたことを脈絡もなく話してみた。
さんは嫌な顔もせずに「恵くん、お姉さんがいるんだね」と穏やかな表情で話を続けてくれた。

「お姉さんとは年いくつ違うの?」

「一つ違い」

「一つかぁ…恵くんは私のどんなところがお姉さんと似てると思ったの?」

「さんは誰にでも優しい…お人好しそう」

「そっかぁ。お姉さんは誰にでも優しいの?」

「姉は他人でも心配して世話を焼くような奴です」

「それじゃ、お姉さんは弟の恵くんにも優しいのかな?」

「…はい。お節介なくらいに」

「恵くんはお姉さんに大事にされてるんだね」

さんは「でもね、恵くん」と話を続けながら、立ち止まった。

「私は誰にでも優しくはないよ」

その瞬間、俺達の横から呪霊が飛び出してきた。

さんは気配を感じ取っていたのか来るのが分かっていたようで、呪霊の突撃を難なくかわした上、すぐさま呪霊に回し蹴りを喰らわす。
さんの攻撃で呪霊は飛んでいき、地面に強く打ちつけられた。

その一連の様子を俺はただ呆然と見ていただけだった。
いかにも非力そうなさんが、人間よりも遥かに図体のデカい呪霊をいとも簡単に蹴り飛ばすなんて思いも寄らなかったのだ。




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