【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる
第11章 卒業写真(本編終了後の後日談)
ふと視界に入ってしまったのスマホの待ち受け画面を見て僕は衝撃を受けた。
「」
「なぁに?」
「見ちゃったんだけどさ…その待ち受け」
そこにはと傑のツーショット写真が映し出されていた。
「あぁ、これね。私が高校の卒業式の日に傑と撮った写真なの」
そう言いながらは僕にも待ち受け画面がよく見えるようにスマホを差し出した。
おそらく傑が携帯を手に持って自撮りで撮影したのだろう。
写真の中に収まるように二人ぴったり寄り添い合っている。
「このあと傑、任務が忙しかったのか春休みも夏休みも帰ってこなくて。これが傑と撮った最後の写真になっちゃったから…なんとなく待ち受けにしたまま変えられなくてね」
が高校を卒業した後というと、僕と傑は高専三年生の時だ。
確かにあの年は呪霊が多発して、僕も傑も任務に明け暮れていた。
そして夏の終わりに傑は離反して、僕らのもとを去った。
は傑に手をかけられて生死の境を彷徨った。
それでもは傑を思い続けて十年間、弟との最後の思い出となったこの待ち受け画面の写真を変えられなかったのだろう。
男とのツーショット写真、しかもそれを待ち受けにしてるなんて、それが例え弟とでもめちゃくちゃ妬けるけど。
こればかりはしょうがない…と思ったのだが。
写真の中の女子高生のは高専で僕と出会った頃よりも幼い印象で、可愛いのは今と変わらない。
僕が癪に触ったのは傑だ。
僕や硝子と撮るときは大体仏頂面だったくせに、姉の隣でキメ顔してやがる。
完全に彼氏ヅラじゃねーか、このシスコンめ。
思わずそう口から出そうになったが、の前なので何とか飲み込んで我慢した。
「傑、この日は私の卒業式だからってそのためだけにわざわざ帰ってきてくれてね」
「…もしかして、この花も傑が?」
写真の中のが嬉しそうに抱えている大きな花束を指差した。
色鮮やかな花々が彼女の愛らしさを引き立てて、とてもよく似合っている。
「そうなの。卒業式が終わったあと、突然傑が学校まで来てくれたかと思ったら、こんな大きな花束までくれたから本当にびっくりしちゃった」
その話を聞いて僕はある考えに至った。