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【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる

第10章 ⑩







「ねぇ、」

「ん?」

「さすがに年越しは休むでしょ?年越しは一緒にいたいな」

「年末年始なのに五条家に帰らなくて大丈夫なの?当主としての挨拶とか…」

「そんなの三が日のどっか一日だけ行けばいいよ。それより僕はもっとと一緒にいたい。…はイヤ?」

「…悟くんみたいな素敵な人にそんなこと言われて、イヤなわけないよ」


僕のことをそんなふうに言ってくれるのはしかいない。
愛おしさに僕は笑いながら「手、つなご」と手を差し伸べると、は微笑んでその手を取ってくれた。
雪が降る寒さの中で冷たくなっていた手を握り合い、お互いに温もりを取り戻しながら、かつて傑と歩いたこの道を二人で歩いていく。





















傑が愛する故に殺したはずのは、まるで生まれ変わったかのように呪力をその身に宿して、呪術師となった。






『“弱者生存”それがあるべき社会の姿さ。弱きを助け、強気を挫く』

『いいかい、悟。呪術は非術師を守るためにある』






『呪いを祓い続けて術師も非術師も守りたい。それがかつて傑が追い求めてきた理想だと思うから』






は自分を守ってくれた弟の意志を継いで、これからも呪いを祓い続けるだろう。

そんな彼女を守ってほしいと、僕はたった一人の親友から託されたわけなのだが。























なぁ、傑。
に対する僕の気持ちを知らないオマエは、術師としての僕に、自分の大切な姉を託したんだろうけど。


が術師を続けても続けなくても、僕のものにして、どろどろに愛し尽くしてやるからな。


















真っ白な雪が静かに降り落ちてくる鈍色の空を見据えながら、愛する姉を遺していった親友に向けて、心の底で呪いのような言葉を吐いた。





















































“あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる” END.
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