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ゆめくろ夢倉庫

第1章 夜が明けるまでの恋人 / 御影 ★





とある仕事の最中に私を庇い、怪我と毒を負った御影。
流れ着いた村にご厄介になりながら、順調に身体を治していく日々が続いていた。
ようやく熱も毒も治まったかと思っていた時に届いた、御影の父からの文。



そこに書かれていたのは驚愕の事実と、御影の家族の危機だった。
それを救うために、御影は一人で行こうと決意する。
一緒に行きたいと乞う私を、優しく拒絶し
もう二度と、会えなくなるかもしれないと理解していながら…








夜。
武器の手入れをする御影の傍らで彼の支度を手伝い、それが一通り済んだ後…
私は一つだけ、わがままを言った。


「――私、御影の恋人になりたい。今日だけでいいから」


これが最後になるかもしれないなら―――
あなたとの消えない繋がりが欲しい。


私は着物の帯を解き、御影に身を寄せた。
私の大胆な行動に御影は驚きつつも、私に応えてくれた。



「……たった今から、夜が明けるまで。俺はお前さんの恋人だ」



素肌を、御影の節くれ立った手が撫でていく。
どんな小さなことも忘れないように。
その全てを私は脳裏に焼き付ける。


「たぶん優しくはしてやれねぇが…本当にいいんだな?」
「うん、いいよ」


答える私に、再び口付けが落とされた。
自分からも御影を求めるように口付けを返すと、それ以上の熱が返ってきて……


「好きだ―――りと」


その言葉を、永遠に心に刻みつけたくて。
御影に私のすべてを委ねた






ーーーーーーーーーー






唇、首筋、鎖骨…それから胸。
御影の口付けはどんどん下へと下りていく。
その度に私はビクビクと身体を震わせた。



「なぁりと…、声、聞かせてくれねぇかい?」



強請るような、甘えるような顔で、そう言う御影。


「こ…、声…?」


こんな状況で一体何を言えば…
そう考え込んでいると、ふいに胸の先端に吸い付かれる。



「ひゃあっ!?///」
「くく…っ、そう、それ。その声」



御影はとても楽しそうな顔で私の顔を覗き込んだ後
優しく私を押し倒し、そのまま覆いかぶさった。
悪戯っぽい表情でも、その瞳には確かに熱が籠っていて
ドキドキと煩いくらいに心臓を高鳴らせながら、その瞳から目を離せないでいた。




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