• テキストサイズ

【シリアス百合】卒業は死神【完結済み】

第1章 シーン1


scene 1

 開いていたスマートフォンの液晶に雪がひとつ落ち、液晶の画面を伝って地面に落ちるのを見て、私はスマートフォンを見るのをやめ、コートのポケットの中に仕舞った。何かメールやラインを打っていたのではなく、見ていたのでもなく、ましてやゲームをやったりインターネットを見ていたのではない。何もする事が無かったからスマートフォンを開いて、待ち受け画面と今の時刻、残りの電池を確認しただけだった。

 今は午後の4時34分。これから遊ぶ予定なんてなく、早く家に帰りたいわけでもなく、コンビニやどこかに寄りたいという事もなく、ただ、学校近くの公園、屋根がある場所で、音も無く降り続ける東北の雪を見続けていた。見続けるしかなかった。何も見るものが無いからだ。


/ 12ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp