第2章 恋は曲者【原神 アルハイゼン&カーヴェ裏夢】
『アルハイゼーンいるー?』
私は今、アルハイゼンの家の前にいる。
声をかけたのはいいものの、多分いても返事はしないだろうと思い、勝手に家の中に入った。
鍵をかけてないなんて不用心すぎる。
家に入ると、案の定、本を読みながら考え込んでいるアルハイゼンがそこにいた。
声をかけるのもなんか気が引けるので、周りをうろちょろしてなんとか気づいてもらえないか試してみる。
『え、あ、あれ?なんで気がつかないの。。』
普通は気配とかで気づかない?って内心思いながら仕方なく、視界に入るように覗き込む。
「ん、お前か、また勝手に入ってきたのか」
『うわぁっ///』
さすがに私に気づいたようで、ふと目があう。
思ったより距離が近くて飛び退いてしまった。
「どうした?」
『な、なんでもないっ、そんなに考え込んで何してるの?』
「見てわからないのか?本を読んでいるのだが」
『それはわかるけど、そんな考え込むほど?』
「あぁ、これはー」
『い、いい、説明しなくていいからっ、どうせわからないしっ』
「そうか、それで、何か用か?」
『あ、うん、えっとね…』
「もしかしてカーヴェか?」
『えっ、なんでっ』
「お前はわかりやすいからな、カーヴェに会いに来たんだろ、あいにくだが、今は出かけている」
『そ、そうなんだっ、って違うからねっ!』
私とアルハイゼンは同期で、カーヴェ先輩は先輩にあたる。
私にとってカーヴェ先輩は憧れであって、恋愛対象じゃない、と思う。
たとえ、恋愛の好きであってもカーヴェ先輩は恋愛に興味が無さそうだし、そもそも私なんて眼中にないはず。