第1章 二人の出会い〜浅岡さん?〜
「皆に挨拶を頼む」
部長に言われその人は一歩前に出た。
「はい!皆さん、おはようございます。」
「「「おはようございます」」」
「本日から、こちらでお世話になります浅田雄一です。高校生の時にバイトでこちらにはお世話になっていましたが、バイトを辞めてから今まで全く違う業界に居ましたので、仕事の事は詳しくは分かりません。一から勉強して頑張りますので皆さん、色々教えて下さい。よろしくお願いします。」
「「「お願いします」」」
千夏が、こっちを見てる。
分かってる。
本当にそっくり、ヤバイ位そっくり。
声も笑顔も何もかもそっくり。
「!!浅田君と君にこの案件を任せるから、しっかり頼む」
いきなり私と課長に同じ仕事を任せると?
「はっ?えっ?私が、ですか?」
驚き過ぎて変な声が出た。
「ああ、もう、そろそろ、この難しい案件を君に任せても良い頃だそ?よろしくな」
部長は、そう言って鼻歌を歌いながらご機嫌で出て行ってしまった。
嘘でしょ?
浅岡さんにそっくりな課長と一緒に仕事をするなんて絶対に無理無理無理無理。
うなだれてると美鈴が目をキラキラさせてやって来た。
「!!課長って、めちゃくちゃイケメンじゃん。もうね?一瞬で恋に落ちた。アタック頑張るよ(笑)」
始まったよ、美鈴の病気が。。。
私はそれどころじゃないって言うのに。
「分かってたよ。隣の美鈴見たら目がハートになってるんだもん。分かりやす過ぎる(笑)そんなんだと本人にも、すぐバレちゃうよ?」
本当に美鈴の事は心配だ。
考えないで行動したり言ったりするからさ。