第6章 出張2日目
どこだ?どこにも居ない。
早く見つけないとヤバイ。
「あれ?課長?」
血相を変えて探してたら後ろから声を掛けられた。
「さん!!」
思わず叫んで駆け寄って思いっきり抱き締めてしまった。
「ど、どうしたんですか?課長///」
「見付かって良かったぁ」
彼女の顔を見たら安心して一気に力が抜けた。
「社長に。。。何も。。。されてないか?」
走り回って探してたから息が上がる。
「あっ、は、はい。手を握られて僕の事も考えて欲しいって言われただけです(汗)」
抱き締めてた彼女の身体を離した。
「はっ?そんな事言われたのか?」
「は。。。い」
「何て答えたんだ?」
走り回ったからなのか彼女が何て答えたのか聞くのが恐かったからなのか分からなかったけど心臓がうるさい位、ドキドキしてる。
「ちゃんとお断りしました。社長には、そんな気持ちありませんので。」
平然と答える彼女が頼もしく見えた。
そ、そうなんだ。
「私は浅岡さん一筋なんで(笑)」
本当に一途なんだなぁって彼女が益々愛おしく思えた。
そう言って笑う彼女をもう一度抱き締めた。
本当に好きだ、君の事が。
改めてそう実感して気持ちをそっと胸にしまった。