I'll always be with you【アイナナ千】
第21章 ドライヤー
〜後日〜
『あ!お兄ちゃん、ここ座って』
「え、里那、なに?」
『ドライヤーしてあげるよ』
お兄ちゃんは髪の毛をタオルで拭きながら、リビングに戻ってきた。
いつもは邪魔にならないよう、結んである長髪。
下ろしてる姿は見慣れない。
千さんに負けず劣らず綺麗な髪。
「え、別にいいよ。自分でやるよ」
『まあ、そう言わずに』
「千の髪の毛触れないからって、僕のを触ろうとするなよ」
『え?』
「触られるの嫌がるだろ」
ん、私の知ってる千さんは、毎回ドライヤー頼んできますけど...
「え、違うの?」
『うん。千さんは寧ろ触らせてくれるけどね』
「あの千がね〜」
お兄ちゃんはそのまま洗面所に戻っていった。
千さん髪触られるの本当は苦手なんだ。
私だけには許してくれる優越感に、にやけた。